影法師を列ねてみては

崇期

影法師①

見え透いた名前がつけられた橋を


心を鬼にして渡るとき


誰かの声に振り向いた救急車の


頭をよぎった 先客のこと


見かけによらぬ政治家と


見かけ倒しの蒸籠せいろを食べた


夏が来るたび塗りかえられる


のっぺらぼうの頼りがい

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