溶けて幻に似た無に近づく物質








「さて、これから何処へ行く?」

「知らんね。何処にいたかも。だが、嫌なところだった」

「狂っちまおう!」

「もう、何も考えるな。すべては、終わったんだ」

「忘却」

「忘却の欠如」

「素知らぬ顔して、踊り続けること」

「終わった。終わったんだ。ブギーは、もはやバックしない」



 ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね。


 忘れられぬ者だけに許される享受。


 透明なパラドックス。





xxx

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