第22話 夏の海

潮騒の音

あなたの笑い声


泡立つ白波

透明な水が打ち寄せ

あなたの白い足を濡らす


光のプリズム

空の青と紺碧の海


風に攫われそうな

麦わら帽子を

あなたは片手で押さえながら

白いスカートをひるがえし

波と遊ぶ


足元に水飛沫

はしゃぐあなたの姿

声が聞こえた気がした……


それは夏の海の見せた幻想

在りし日の幸せな光景


瞬いた目の前には

あなたのいない静かな海辺


濡れた視界に浜木綿が

ただ風に白く揺れていた

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