第20話 破片

過ぎていく季節の残り香のように

そこにいまだ残る過ぎた季節の欠片


私の過ぎた片思いの恋の破片

残る心の淡く苦い残滓


あなたがそこにいて

私はその隣で笑っていた


何も知らないで知らないままに

私は密やかに気持ちを育てて

ただ私の中でひとりで育て育んで



時は過ぎ

季節は変わる


あなたに伝えないまま

伝わらないままに


時は過ぎて


今はもう隣には誰もいない

私の隣にはあなたはいない


いないあなたへの想いの破片は私の中に転がる

黙り誤魔化した過去の記憶の欠片


伝えなかった想いは消えることもないまま

時は過ぎ季節は変わっても

そのまま私の胸に突き刺さったまま

抜けることもないまま


季節は過ぎて行く

少しずつ季節は変わって行く


残されたままの私をおいて

動けない私をおいて

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