10 騎士団長ガウス

ルーベルおじさんからの突然の騎士団への入団宣言に

驚くコウとボウ。



「来年からお主らはオルテンシア学園に入学する。

しかし、お主らは人々が居る場所で生活しておらん」


「……まぁ、こんな辺境に住んでるからな」



ルーベルの話に横槍を入れるコウ。



「辺境と言うでないわっ! こほん。

それで、数か月の間シテイン王国の騎士団として

活動しながら2人で町での暮らしに慣れてもらう」


「つまり……予行演習ってこと?」



ルーベルの言葉にボウはそう聞き返した。



「そうじゃ、このガウスの下で騎士団として

働き、お金を貰いながら暮らすのじゃ」


「……なるほどな、今日からか?」


「そうじゃ、それと……幾つか制約を掛けさせて

もらうのじゃ」


「制約……ですか?」



「そうじゃ、

1つ、ワシことルーベルとの関係性を知られないこと。


2つ、ガウス以外の騎士団の人にコウとボウの存在が

ばれないこと。


まぁ、これはガウスが大変だと思うんじゃが……

頑張るのじゃぞ? ガウスよ」



「……大丈夫なはずだ」



ニヤリと笑うルーベルの言葉にガウスは静かに

そう言い頷いた。



「よし、では最後に3つ目じゃが……

コウとボウよ、

お主らはこれからスキルの使用を禁じる」


「……はぁ? ずっとかよ?」



あまりな条件にコウはそう嘆く。



「もちろんじゃ、騎士団でいる間はスキルは

使ってはならん。

まぁ、ボウのスキルは緊急の時は構わんが、

コウのスキルは何があっても使ってはならん」


「……わかった」



暫く考えたコウはそう呟いた。



「よし、では説明は以上じゃの。

なにか質問はあるかの?」


「……大丈夫だ」


「僕も特にないかな」


「なら、今から準備をしてガウスに

連れて行ってもらうのじゃ。

シテイン王国にっ!!」



「「わかった」よ」



そうして、すぐに準備を終えたコウとボウは

ガウスと共に馬車に乗り、

シテイン王国へ向かうのだった。

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