光の移り変わり

神五自由

第1話

遠くでは小鳥がさえずり、暖かな春風がそよぐ穏やかな日。

ビルや商店が建ち並ぶ街中。


【ドーン。】

「えぇっ、何の音?」

ココとみくは何かがぶつかったような激しい音が聞こえ、近くまで駆け寄ってみた。

そこには、薄い灰色でポニーテールの長い髪、黄色いシャツに水色のプリーツスカートを着た女の人が倒れていて、どうやら車に轢かれてしまったようだが、まだかすかに息をしているため、ココは声をかけた。

「大丈夫ですか、大丈夫ですか。」

「みく、救急車と警察を呼んで。」

みくは慌てて鞄から携帯電話を取り出して救急車と警察に連絡した。

「大丈夫ですか、…」ココが声をかけ続けていたが、そのまま女の人は息を引き取ってしまった。

その時近くの歩道を歩いていたゆめはココとみくに気付き近寄って声をかけた。

「どうしたの?」

「この人が車に轢かれてしまったみたいで、みくに救急車と警察を呼んでもらったんだけど、そのまま亡くなってしまって…」

それを聞いたゆめは不思議そうに、

「えぇっ、この人ならまだここにいるよ。」

ココとみくはゆめを不思議そうに見つめる。

ゆめは女の人の肉体の上に立っている霊体が見えているようだ。

ゆめは女の人の霊体に話かけてみた。

「あなたの名前は?」

すると女の人は今にも消えそうなか細い声で答えた。

「…私は…くるみ…こうもとくるみ…」

「あなた何で車に轢かれたの?」

「…実は…そこのビルの上から…誰かに突き落とされて…倒れて動けなくて…そうしたら轢かれちゃって…私死んじゃったの?…」

「どうやらそのようね。ねぇ、誰かに突き落とされたって言ってたけど、誰に?」

「…後ろからだったし…いきなりだったから…よくわからない…」

「とにかくこれは事故ではなく事件ってことなのね。…」

そのまましばらく考えたゆめは答えた。

「私がこの事件、解決してみせる!」


こうしてゆめは、近くのビルから誰かに突き落とされて、車に轢かれて亡くなってしまったくるみの事件の真相を探ることとなった。

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