lesson11 賭け事は好きですか?

 四つの宝石を手に入れたエミリーとヨウコは、魔王の城へと向かう前に、大きな町に立ち寄りました。

 町にはカジノがあります。


「ラスベガスみたいですね」

「エミリー、遊んでいる暇はありません」

「少しだけです」


 二人はカジノに入り、道中に魔物退治で稼いだお金で遊ぶ事にしました。

 数時間後、ヨウコは自分の分のお金をスロットマシーンで全て使ってしまいました。


「賭け事はとても難しいです」


 素寒貧になったヨウコは途中で別れたエミリーの姿を探します。

 すると、ブラックジャックのテーブルにチップの山を築いている人物を見つけました。

 エミリーです。


「エミリー、凄いですね」

「カウンティングです」


 エミリーは場に出たカードを全て記憶して、次にくるカードを予測するイカサマを心得ていました。


 カジノを出た二人は、エミリーの稼いだお金で装備を新調しました。


「エミリー、なぜ私はバニーガールなのですか?」

「とても似合っています」

「なぜ私はバニーガールなのですか?」

「とても似合うからです」


 こうしてヨウコは、泣く泣くバニーガールで魔王城へと向かう事になりました。


 その日の夜、宿屋のベッドでエミリーは言いました。


「ヨウコ、魔王を倒したらお別れですね」

「そうですね。少し寂しいです」

「私はとても寂しいです」


 そう、魔王を倒したら、エミリーは元の世界に戻らねばならないのでした。

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