高校生がバイトでヒーローはじめました。
メドゥーサ
第1話 はじまりはじまり
駅前の広場でみるからに怪しい男が声高に何かを叫んでいる、ここのところ毎朝だ
ジャージに白衣を羽織った男が何やら地球の危機だとか訳のわからない事を叫んでいる。
「最近世の中が物騒だから、あんな変なヤツが湧いて出るんだよ」と俺は、つぶやく。
ここ最近、妙な事件が起きている、行方不明者が、自分の住んでいる街で、4人も出ている、それも全て未成年だ、なんだが怖く不気味であったが、どことなく他人事の様に感じていた。
「それよりも自分自身の事で精一杯だよ」
俺は、高校3年生の
弱いなりに一生懸命、部活は、やってきたのだ、
だけど部活がない今は、放課後が暇で暇でしょうがない、気が滅入ってしまう。
「なにかバイトでもやるか…」
高校を卒業したら、親戚の工場に就職がきまっている、なので進路に悩む必要はない、友達はそれぞれ進学するので受験勉強で忙しく、遊ぶ相手もしてくれない、それだけに毎日暇なのだ。
ラッキーな事に、俺が通う高校は、バイトに寛大で、むしろ社会経験になるからと歓迎すらされている、暇を持て余すくらいなら、バイトでもして時間を有意義に使いたいものだ。
「よし、決めた、今日の放課後バイト探しだ」
その日の放課後、さっそくバイトを探しだ、まずは、手っ取り早くネットで探してみる事にする。
「体力には、自信があるから、キツくてもいいから、時給は、高めで調べてみるか…」
しばらく探していると、時給が破格の求人を発見するが、めちゃくちゃ怪しい。
【兎にも角にも体力がある若人募集!! 時給¥2000〜 能力適正試験あり 『詳細は、能力適正試験合格後にお伝え致します』連絡先 090-0000-0000 代表 美都吉影】
「怪しすぎる…が、時給は、魅力的だよな」
なにをするにもお金は大事だ、怪しさにビビリながらも、時給の高さに負けて、電話をしてみる事にする。
呼出音が鳴る
『はい、
若い女性の声だ。
「あのーネットの求人をみて、電話をしました、バイトをやりたいと思っているのですが」
『それでしたら、適正試験を受けて頂き、合格後に詳細をお伝え致します』
「はい…どのような仕事なんでしょうか?」
『申し訳ありません、適正試験を受けて頂いて合格をしていただけないと、ご説明できないんです』
怪しい、相当に怪しいぞ!
でもこの電話の人すごい綺麗な声だ、ちょっと顔も見てみたい、その好奇心が俺を後押しする。
「わ、わかりました、適正試験受けます!」
『ありがとうございます、それでは、さっそく受けて頂いてもよろしいですか? 』
急すぎるぞ、と思いながらも、どうせ暇だ。
「はい、大丈夫です」
『それでは、今から江府市の動物園まで来て下さい、着いたらまた、連絡をお願いします』
「ど、動物園ですか?」
『はい』
江府市の動物園なら電車で二駅だ、すぐに向かえる、しかしなんで動物園なんだろう、不思議に思いながらも
「わかりました、すぐに向います」
おれは、電話を切り足早に駅に向かう。
朝、あの怪しい男が、演説をしていその駅に。
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