小話

CRCではエフェクトの侵蝕率上昇の処理が変わっている件。その影響は?

 新サプリ、クロウリングケイオス(以下CRC)が発売されましたね。

 皆さんはもうお読みになられたでしょうか。


 約2年ぶりの追加サプリであったり、特殊な専用ステージであったりと様々な理由から発売から賛否両論の意見が飛び交っています。

 CRCの評価については今度まとめたものを出したいと思っていますので、本記事ではなるべく控えさせていただきます。

 本記事に関わることをひとつ上げるとすれば、誤植が多かったということでしょうか。

 今回はその誤植に関する小ネタ話です。

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 ※この記事は2021/4/27時点の話です。

 エラッタ等により裁定が変わっている場合があります。


 今回取り上げる箇所はCRC180ページのクロウリングケイオス・サマリーから。

 戦闘ルールサマリーのエフェクトの項目には以下の文章が書かれております。

────────────────

 エフェクトを使用すると、[侵蝕値]だけ【侵蝕率】の現在値が変化する。その結果LV(CRC・P184より引用)

────────────────


 一方基本ルールブック1には以下の文章が書かれております。

────────────────

侵蝕値の確認

 エフェクトを使用すると侵蝕値が上昇する。これはエフェクトを使用した。メジャーアクションのエフェクトなら、その。(基本1・P251より引用)


 侵蝕値の合計

 組み合わせたエフェクト侵蝕値すべてを合計して、エフェクトを使用したことで発生した処理が終わった後で上昇させること。(基本1・P255より引用)

────────────────


 つまりエフェクトを使用した際の処理順が、


〈基本ルルブ準拠〉

 エフェクト使用の宣言

→効果の処理

→侵蝕率の増加


〈CRCサマリー準拠(CRCステージ環境)〉

 エフェクト使用の宣言

→侵蝕率の増加

→効果の処理


と変わっているようです。


 これは個人の感想ですが、恐らく誤植ではないかと思われます。

 基本ルールブック1と2を使用する関係上、その基本ルールブック1と矛盾するものを書くのはあまり考えられないと思います。

 しかし、2ndのルールでは侵蝕値のルールはCRCサマリーのものであること、CRCは1stの世界線が舞台となっていることから、このルールが本ステージでは正解という考えもできます。

 自分は2ndのルールブックは所持していますので確認できましたが、1stのルールブックは残念ながら所持していないので確認できませんでした。

 もし確認できる人は教えてください。



さて、ここまで読んだ皆さんの中にはこんな人もいるのではないでしょうか。


「処理順が変わったからって、何か問題でもあるの?」


自分もこの件についてTwitterでツイートした後でそう思いました。


侵蝕率が即上昇するということは、

「侵蝕率のダイスボーナスの影響を即座に受けることができる」

ということであり、むしろ良い事のような気がしてきます。


なので調べてみました。

これから、処理順が変わったことで運用に影響が出たエフェクトをいくつか紹介します。



《背教者の王》

(ウロボロスシンドローム、IC・P50初登場)

攻撃力を+[自身の侵蝕値÷10]するエフェクト。

処理順が変わったことにより、増加した後の侵蝕率で計算することができ、地味ながらも強化されました。

制限:100%エフェクトのため、最低でも攻撃力+10以上が保証されます。

ICやEAを導入した際、採用を検討してみたいですね。


《Dロイス:奇跡の血》(上級・P47初登場)

トライブリード専用。エフェクトを組み合わせる際、条件を満たすことで侵蝕率を-3することができます。

エフェクトを大量に組み合わせた時、侵蝕値の上昇に困った際に選択肢に上がるかもしれません。

しかし処理順が変わってしまった為、マイナスする前に既に侵蝕値が上昇してしまっています。

このままではただのフレーバーです。困りましたね。

使う際はGMに確認、後戻りをお願いすることとなります。

これは奇跡なんて起こりえないということを表しているのかもしれません。


《フラットシフト》(Dロイス:古代種専用、上級・P62初登場)

1シナリオ限定であらゆるメジャーアクションやリアクションのエフェクトと組み合わせてその侵蝕値を0にしてしますエフェクト。

強力なコンボを使用する際、侵蝕値が気になる時に選択肢に上がりそうなエフェクトですが、処理順が変わったことにより本来0にする侵蝕率は既に加算されてしまっています。

これもGMに確認を取り、可能であれば後戻りをお願いして使用しましょう。

古きものは淘汰されるということが言いたいのかもしれないですね。まあこれ古いルールなんですけどね。


《聖痕》(Dロイス:異形専用、上級・P53初登場)

こちらは1シナリオ3回まで、メジャーアクションで組み合わせたエフェクトの侵蝕値から最大-3するエフェクト。代償として5点HPを失います。

こちらも処理順が変わったことによりマイナスしたい侵蝕率は既に加算されてしまっています。

しかもこちらは無駄に5点HPを失います。

使う際はこちらもGM案件です。

このような侵蝕値を下げるエフェクトを使用する際は、エフェクトLVが上昇するタイミング以外で使用しましょう。

エフェクトのLVも下がると思いますので後戻りの処理も面倒になります。

新時代では聖痕もただのタトゥーだということでしょうか。


《テイクオーバー》(レネゲイドビーイング専用、基本2・P181初登場)

対象がエフェクトを使用する直前に使用し、上昇する侵蝕率を肩代わりするエフェクト。

これはタイミングをどう設定するかによって変わります。

「エフェクトを使用する直前」が、

「エフェクトの使用する直前」とした場合、

即座に侵蝕率が上昇してしまうので肩代わりする侵蝕値がなくなってしまいます。


「エフェクトの使用を直前」に使用とした場合、侵蝕値を肩代わりすることができます。

このエフェクトを使用する際は、相手にエフェクトを使用を宣言するか確認してから使いましょう。


(これ以外にもあるかもしれませんが、見つけ次第追記する予定です。)


まとめると、侵蝕値を参照する一部効果の挙動がおかしくなっているという感じです。

このようなエフェクトを使用した際、GMやPLの確認作業が入ってしまうので、使用する際はセッション前に事前に確認しておくことをおすすめします。

TRPGは会話が大事ですので。


基本ルルブ1,2及びCRCのみの環境では、処理順が変わったことによるエフェクトへの影響は見当たりませんでした。

また追加サプリを導入する際も、上記のエフェクトやDロイスを使用しなければ進行に影響はないと思われます。

これなら安心してCRCステージで遊ぶことができますね。










最後に、揚げ足取りのようになってしまったこと、申し訳ないと思っております。

自分はサプリではルールやデータのテキストをよく見るほうなので、このような誤植と思われる表記が気になってしまった為このようなものを投稿しました。

決してCRCアンチ、ダブルクロスアンチではないということだけはご理解いただけると幸いです。



それでは、良きダブルクロスライフを。

今後ともよろしくお願いします。

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