第26話:無能力者
「無能力者早乙女よ、俺様には分かるぞ、お前は常人ながらに徳をよく積んでるようだな、引き締まった筋肉、それにその眼光、さぁ、お前の全力を持ってかかってこい。」
この人、ふざけてるようでやっぱり強い、けど勝てない相手じゃない、運営の強い人達やもっと強い人、そんな人たちにこれから僕は勝たなきゃいけないんだ。
「行きます!薬師寺さん!」
「いいぞ、来い!早乙女ッ!!!」
この人の異能は見えない衝撃波、護道さんとは似ているようで違う。
「では参りましょ〜!!今大会唯一!黒城の無能力者こと!早乙女選手VS、ここまで見事3人抜きを見せた薬師寺選手の試合を開始します」
異能力はその使い手、すなわち異能力者に似ると言う、それを考えればこの異能は・・・
「では開始です!!」
まずは挑発だ。
「薬師寺さん、貴方の異能力はすごいですね、でも無能力者の僕に破られたらどうします?」
「戯けたことを....良いだろう、見せてやる」
乗ってきた、ここで試そう。
「ホウレンゲキョウ....パンッ!!」
「ハッ!!」
やっぱりだ...
「ほう?俺様の術を避けるか、お前見えているのか?何てな、無能力者に見えるはずが無い」
いや、見えてる、正確には感じてる、僕は弱い無能力者だ、だけど無力なものほど危険察知能力は高い、動物でもそうだ、僕はその人間としてではなく、動物としての本能を期待あげられた。
「薬師寺さんは武器使わないんですか?あ、もしかしてアレですか?使わないんじゃなくて、使えないとか?ハッハッハッ!」
「小僧....口が過ぎるぞ。」
良し、挑発が効いてる、あの人の技は見えないけど発動する瞬間は読みやすい、技を発動するのに絶対に合掌する。
「ホウレンゲキョウ!!!」
「あれ?どこ狙ってるんですか?」
だからこそ、挑発して感情をたかぶらせてもっと読みやすくする、目の動き、体の向き、冷静じゃない薬師寺さんは全部読める
「ハァッ!!」
「グハッ!!!」
まず、一撃、大事なのはここからだ、一撃入ってもっと激怒するか、目を覚ますかの二択だけど....
「よくもやってくれたなぁぁあ!!無能力者の分際で!!生き仏である俺様に、刃を....」
厄介だな、目を覚ましてもう一度冷静になってもらいたかったんだけど、これじゃきっと大技が来るな。
「見せてやろう、お前でもこれは避けれまい」
ほら来た....あれを使うしかないか、最終日までとっておきたかったけど....
「合掌とはすなわち帰依すると言うこと、俺様は毎日感謝してると言うことだ・・・・
今、怨敵よりその豪掌で我を守れ....」
流石にこれは不味そうだし....
「来い、修羅地蔵!!
これは...確かに良けれない、このスタジアム両側から迫る手、いや、これはもう壁か、でも、逆に避けないなら、手段はある....!!
「血操秘孔・第三段ッッ!!」
一瞬だけ、この大きな手に挟まれる瞬間、羽々斬の剣先と柄の部分で少しスペースを作り、両手の拳でこの衝撃波を跳ね返す。
「潰れろ、無能力者ガァァア!!!」
「潰れません、ハァァァアッ!!!!」
壁は面としては強い、風や雨、火までも防ぐ、だけれど、小さな、そして鋭い物には弱く脆い!!!
「すみません、薬師寺さん、貴方の異能、破らせていただきました。」
「グフッ....ナン....ダト.....。」
強かった、でもまた乗り越えた。
「し、試合終了です〜!!余りの迫力!そして早乙女選手の無能力者離れしたその速さに
圧倒され言葉を失ってしまいますッ....!!」
血操秘孔....一瞬だったし見られてないよね?
「アツい!対抗戦2日目にしてアツすぎる展開です!ですが時間があまりありません!次の試合へ移らしていただきます!!!」
そこからの展開、僕は白牙学園の次鋒、中堅を順調に倒し、副将である澪音さんと戦うことになった。
「ここまでアツい戦いを繰り広げている黒城学園と白牙学園!遂に副将対決です!!」
遂に、澪音さんと。
「早乙女、私はお前を認めるよ、最初はこんな異能も持たない奴がって、思ってたけどお前は七草さんの意思を受け継いでるし、強い。」
「姉弟子にそんなこと言われるなんて、光栄だよ、僕も澪音さんと戦う事を今日までずっと楽しみにし続けて来た。」
やっと決着をつけられる。
「両者、鋭い眼光!これ以上焦らすことは愚かでしょう!それでは白牙学園、渚選手VS黒城学園、早乙女選手の試合を始めます!!!」
最初から、全力で行く。
「開始です!!!」
もう様子なんて見ない、縮地で一気に距離を詰める!!
「ドックンッ....」
う....またこの痛みか....こ、こんな時に....
「おいどうした早乙女!何してる!」
体が動かない....息がッ.....
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