数多なる悪霊 レギオン その2
「くっそ!術式どれも効かねぇ!」
ジョナサンは全属性の術式を使用したが、雷属性が若干効く程度でほぼ術式を無効にさせる。
しかも物理攻撃も跳ね返されてしまうのだ。
先程の銃弾もチェーンウィップの攻撃同様、黒い電の様なもので跳ね返された。
レギオンは黒い液体の身体を地を這う様にし地面から突き上げる鋭い刃物に姿を変えて攻撃を仕掛ける。
それをディビッドとジョナサンはかわしながら、弱点を探り続けつつ、エステルの助けを待つ。
「きっと元々の影は聖化された銀製品に弱かったから、物理攻撃を跳ね返す『何か』を止めれば何とかできそうですがっ!」
ディビッドに向け真っ直ぐ仕掛けられた刃物をかわしながら、間合いを取る。
実際の所、神罰での攻撃を行いたい所だが、今時点で悪魔戦2回、合計5回使用しており残りせいぜい1回が限度だと思うからだ。
出来れば止めを刺す際に...と思うもののそうそう簡単にはいかない。
だからこそエステルならば、同じ神罰を扱える上、トラウゴット教の至宝であり、預言者の杖...そして『バーレの真の王』の証とも言えるセプター オブ バーレを持つ彼女であれば、とディビッドは思うのだ。
ただ、全身を打ちつけられ骨もかなり砕かれたピッピちゃんの痛みをダイレクトに受けている為、すぐに動けるか不安だが背に腹はかえられぬ。
「ディビッド、一度撤退して城の術士総動員して貰って結界を強化させた方が!」
「いや...さっきだって結界ぶち破って天井からやって来ましたから無駄でしょう」
レギオンの無差別の攻撃をスレスレでかわしながら二人は話す。
「姉上がここに来るまでの時間稼ぎをっ」
地面から波打つ様にレギオンの攻撃がやってくるが、それをかわすも左腕を掠る。
「うっ!」
ディビッドの切られた腕の肉から血が出て、地面に滴り落ちる。
「ディビッド!」
その姿に慌ててジョナサンが駆け寄る。
「ジョナサン、大丈夫です!」
「だがっ!」
そう、ジョナサンには使命がある。
ディビッドを命懸けで守る事をだ。
よく知っている幼馴染であり、友人であり、よく悪戯を仕掛けられたり悪態を吐いたりとしていて余りそう感じられないかもしれないが、上級異端審問官になる際に、エステルから命じられそれを受け入れている。
それにジョナサンは聖サンソンの直系、マキシムやサミュエル以上に信仰深く、ハイラントの誕生を望む一人でもある。
ジョナサンは術式を組み上げる。
『術式展開!ディフェンシブ!』
防御の術式を組み上げ展開させ、ディビッドを守る様に前に立つ。
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