悪魔グシオン その3
「ディビッド!シルバービートを寄越せ!」
ジョナサンは何かを閃きシルバービートを渡す様に促すので、そちらに向かって投げ、受け取ると術式を構築し始める。
『術式付与!ゲフリーレン!』
弾丸自体にを付与した後に再度ディビッドへ銃を受け渡す。
「弾丸そのものに氷属性の高位術式を込めた!当たると展開する仕組みにしてるから絶対命中させろよ!」
「了解!」
ジョナサンは更に術式を構築し始める。
「タイミングをお前に合わせる!グシオンの右の羽根狙って撃て!」
ディビッドはシルバービートから術式の込められた純銀製の弾丸をグシオンの羽根へ撃ち込むと、術式か展開し羽根そのものが凍りつく。
『術式展開!ディーブレンネン!』
すかさずそのままジョナサンは対になる炎属性の高位術式を展開させ羽根目掛けて撃つ!
温度差による熱衝撃で羽根が崩れてしまい、グシオンは墜落する!
『ギャアアアア!くそっくそっくそっ!お前等ァァァァ!』
片方しか無くなったため飛ぶ事が出来なくなった為か、両手足を使ってすごいスピードで突進してくる。
「やっぱり知能が低下してますね」
とディビッドはシルバービートで向かってくるグシオンを撃ち込むと、純銀製の弾丸が身体にめり込み痺れを生じさせる。
『グォアアアアアア!』
それを見てジョナサンは術式を構築し始める。
『身体強化!腕力増強!』
ジョナサンは自身に腕力をあげるバフをかけると、腕が更に太くなり、倒れたグシオンの両足を掴んでぐるぐると回してディビッドに向けて投げ飛ばす!
「ディビッド!とどめだ!」
「全く脳筋なんですからっ『裁き時は来たっ!悪しき者の頭を砕く裁きの鉄槌を!』」
右手にあるエクソダス1922を向け、裁きの鉄槌の句を読み上げると、光り輝く聖サンソンの幻影が現れ、グシオンの頭目掛けて殴り飛ばした。
その衝撃で屋根からグシオンは落下していく。
「あ!」
ドォン!と地面に落下した音が聞こえ、屋根から下を除くとその姿は悪魔グシオンの姿ではない。
「倒したか?」
「みたいですね」
と2人で屋根からひょいと降り立つ。
そこにはうつ伏せでダリオが倒れていた、近くには禁呪の書き板が砕けバラバラになっていた。
「一応回復してあげますかね...」
とディビッドはヒールをかけてダリオを回復させる。
「こいつどうするんだ?」
「今回はリュシフェルにねじ込まれた被害者ですし、ティナのお兄様達が証人になるでしょうから贄を用いなかった件も含め、今回は罪には問われないでしょう...まぁウルムの法律で術式封印の枷を着けられる可能性は高いですが...」
通常悪魔に受肉されると無事ではいられない、本来なら悪魔そのものを封じるしかできないからだ。
しかしディビッドは悪魔自体を滅ぼす力を持つ為に、受肉された人間は助かる。
大概は自らの意志で禁呪の力が欲しくて使うならば、法律により終身刑以上、死刑もありうるのだか、今回はリュシフェルによる被害者である。
ただこの状況を術式を暴走させたという判断をされた場合は術式封印の枷を着けられ、二度と術士として生きて行くことは出来ない...
「まぁそれはウルムの法律が決める事だ...戻るぞディビッド」
ジョナサンは、倒れて気絶しているダリオを肩にかけて運ぶ。
「ジョナサン...先に行ってて下さい、書き板のかけらを拾いますので」
「ん?ああ、わかった」
そう言われ、ジョナサンは先に皆がいる所へと足を運んでいく。
ディビッドはしゃがんで書き板のかけらを拾いあげ、そのかけらを見つめる。
「こんなものに魅了されるのは人の弱さの証拠なんでしょうね」
ディビッドはぼそり、とそう呟いた。
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