男爵令嬢が淫魔とか...まぁそうでしょうね!
司祭服の男は私の近くまで来ると、顔を覗き込まれる、なんだなんだ???
「それにしてもあの淫魔に唆されたとはいえこんな綺麗でかわいいお嬢さんとの婚約を破棄するとか私なら信じられませんねぇ...どうですお嬢さん、あんな種無しなんて辞めて私に乗り換えません?」
「はい?」
ま...まぁ私は美人の内に入るとは思う、先祖帰りのピンクダイヤモンドの瞳(ちょっとつり目がきついとは言われるけど!)とミントグリーンの綺麗な髪はサラサラ、顔立ちも愛らしいと褒めてくださる方も多いしバッチリお化粧だって欠かさない!
しかも今日はダンスパーティで特別に用意してもらったローズピンクからパープルのグラデーションの綺麗な高っかいドレスを着ているのよ!まぁただビビアナの様なでっかい胸じゃないケド...なんなのこの男は???
そう男はニッコリ笑顔を向けた後、私を庇うように背にしてビビアナに銃を向け続ける。
逃げ出した学生達が居なくなった後、何人かの司祭服の男達と1人の大剣を持った赤いサーコートを身につけたフルアーマの騎士が入って来る。エイレットに赤い剣の紋章が描かれている。
それを目で確認し、パァン!と男はビビアナの足元に銃を打つ。
近くいたエスタバン様は腰を抜かしたのか震えながらへたりと座り込むがビビアナはじっとその男を睨みつけている。
「悪魔フールフールとの契約の為に堕落させ生贄として搾り取ってミイラにした男の人数が10人、その淫魔として復活する為にアンドリア学園に入って未成年の貴族の子息の精を受けた人数が20人...その中には一生分搾り取られて種無しになった奴が数人...いやぁ血を残さねばならない思春期真っ只中な貴族の子息にとって本当に酷な事をするものですねぇ」
男の話を聞いてエスタバン様が青ざめる...通りで種無しなんて言う訳だ...ってうっわ未婚同士でそこまで進んでたって事!
「最低ねエスタバン様、信じられない!」
私っていう婚約者もいるのに本当にサイテー!
「マキシムは私のサポートに!他は被害拡大をしないように結界を展開しなさい、あの淫魔なかなか手強い相手ですよ!」
マキシムと呼ばれた鎧の騎士はその男の元につく。
男は2丁拳銃を構えて名乗る。
「私はアルトマイヤー寺院所属、上級異端審問官『白の射手 』ディビッド ザイオン バーレ!貴様を永遠の滅びに至らせる為にエアヴァルド王国バーレ領より派遣されてやって来ました!」
ディビッドと名乗った男はビビアナの頭に向けて発砲しそれは命中する...なのにビビアナは倒れないんだけど!
「...上級異端審問官...彼の神の僕!」
ビビアナは受けた頭の傷口から黒い霧の様なモノが湧き出し一瞬にして包まれたと思ったら不気味な生き物に変化する。
ビビアナの身長の二倍の大きさの頭に雄鹿の角を生やし下半身も大鹿、背中には蝙蝠の翼が生えている、上半身は淫靡な娼婦の様な大きな胸をした化け物に変化する、手には大きな鎌を持ちブンと振る!
『キャハハハハハ!よく見抜いたわねぇ!アタクシ真実の愛を司る神フールフールですわぁ!』
ビビアナ、いえフールフールと名乗る神???いいえ悪魔は高笑いをして此方に向かって飛んでくる!ええええ!
「はっ!真実の愛ねぇ...マキシム!」
「応!」
マキシムは大剣を構え、フールフールの大鎌攻撃を跳ね返す、その隙を見てディビッドはフールフールの頭に銃を撃ち込む。
『キャア!こんなモノ打ち込んで痛ったいわねぇ!』
ええ!効かないの?????
「まぁ想定通りなんですけどね、お嬢さんごめんね」
「きゃあ!」
そう言われひょいっとお姫様抱っこされてしまう。
「ここは危険だから避難しないと」
そう言ってる最中でガツンと私たちの横に大鎌が振り下ろされる!
「ね?」
こ...怖い!ディビッドはニッコリ笑顔を浮かべるが此方としてはコクコクと首を下に振るしか出来ない。
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