第17話 マッカート王太子の廃嫡発表と貴族たちの処罰(後編)

「次の話に移る。サザン伯爵。前へ出よ。」


「ははあ。」


 ザザン伯爵、顔が青いですね。マッカート元王太子は、廃嫡されましたから伯爵にも影響ありますものね。

 それにマッカート元王太子が処罰されてすぐですからね。ザザン伯爵本人も自分も処罰されるのかとかんがえているのでしょうね。

 まあ、その通りなんですけどね。


「ザザン伯爵よ。おぬしは、マッカートが城を抜け出すのを息子のザジと共に手助けしたみたいだな。」


「……そ そんな事、私はしてはおりません。」


 何で知っているのだと考えたのか、すぐには答えられず、更に吃りましたね。


「おぬしは、ワシをなめているのか。」


「いいえ。そんな事はございません。」


「ワシが何にも知らぬと思っているようだからな。マッカートの件も調べはついている。おぬしは、他にも色々噂があるからな。」


「陛下、所詮は噂です。私と敵対している貴族家が嘘の噂をながしているのでしょう。」


「まだ、言うか。調べはついていると言っておろうが、おぬしの噂に関しても全て調べ、ほとんどが事実だと判明し、証拠も入手しておる。噂として出てないものも出てきたがな。例えばモルモート領と隣接するノイヌーヴォ領の領境の村を盗賊団に命じて、襲わせ占拠させたとかな。」

「それでだな。おぬしたち親子の処罰だが、爵位剥奪、領地没収、伯爵家はザザン伯爵と息子のザジの3等親までを連座で処刑とする。処刑は、斬首刑とする。」

「ザザン伯爵を牢へ連れていけ。それから伯爵家に兵士を向かわせ、ザジを含む処刑対象者を捕縛してまいれ」


「……」


「かしこまりました。」


 全部バレていると知り、処刑を告げられたザザン伯爵は、何も言わず下を向いたまま震えていたが牢へ連れていかれた。

 それから陛下が叔父様に指示をだし、叔父様から指示を受けた騎士が出ていきました。兵士を連れ、伯爵家に向かうのでしょう。


 その後、次々にザザン伯爵派の貴族たちが処罰されていった。

 処罰が処刑の者は、一人もいなかったが、国外追放となる者、爵位没収と領地没収となる者、降爵と一部領地没収となる者、当主を退き、当主の座を子に引き継がせ、屋敷内で隠居という名の軟禁となる者、罰金だけで済んだ者など様々だったが、ザザン元伯爵親子と連座で処刑となる者も含めると15の貴族家と25名が処罰された。

 マッカート王太子という担ぐ御輿がなくなったので、ある意味はないですが、王太子派の大派閥の一つザザン伯爵の派閥がなくなりました。


 もう一つ大派閥のトップであるサイ公爵は、マッカート元王太子が平民となり、娘のレベッカはマッカート元王太子と婚約することになり、破棄することが許されないと言われたときは真っ青な顔されておりましたが、ザザン伯爵の派閥がなくなり、今は、嬉しそうですね。

 担ぐ御輿がなくなったのに何が嬉しいのですかね。次の御輿を決めたのでしょうかね。どうでもいいですけど……


 今回、サイ公爵の派閥が処罰の対象から外れているのは、陛下と叔父様曰く、クライシス公爵家は私が居なくなったので、勝手に自滅するだろうし、そうなれば派閥は解体となるので、その後に派閥の貴族たちは、罪状によって処罰を下すらしいですわ。

 今回の処罰で、没収された領地は、モルモート領は、ノイヌーヴォ侯爵家の領地になりました。

 それ以外は、王家の直轄領になりました。


 これで、私の婚約破棄関連の問題は一応、解決となりました。

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