海のチャーム〜白き輝きが僕らを導くとき〜

クララ様作


【あらすじ引用】

祖父の意思と仕事を引き継ぎ、海辺のコテージに住むギル。

彼は毎日のように波打ち際を歩き、探しものをしていた。


そんなある日、超新星爆発のために多くの宇宙船が緊急寄港する。

翌朝、ギルは浜辺で一人の女性と出会う。

重ねられる彼女との会話の中で、ついにギルの夢が動き始める。



1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)

チャームとは人の心をひきつけること。魅力という意味らしい。

海の魅力と直訳すべきか、それとも海に魅力的な何かが訪れたと解釈すべきか? それにより意味合いが変わって来るように感じた。

彼が何を探していたのか? どんな夢があったのか?

あらすじや表紙から想像するのは難しいが、彼女との出会いが彼の夢を動かす物語なのだろうと想像した。


2 物語は(どのように始まっていくのか?)

超新星爆発のあった日から始まっていく。その日、巻き込まれることを想定し航行中の宇宙船は、全て最寄りの星の銀河ポートに退避することになる。その影響を受け小さな個人ポートまで使用禁止いう事態に。多くの人が窓を閉め影響を避けようとする中、主人公だけは冷静に外を眺めていたのである。港に入れなかった船たちを心配しながら。


3 世界観について

SFで未来とあることからも、主人公の暮らす惑星以外にも人々が生活をしている世界であり、宇宙船が行き交うことが日常の一部であるという世界観であると感じた。星同士が貿易なども行っている。この星には砂浜があるが、それはこの星特融のもの。星によって環境などが違う。

短編ながら、舞台設定がしっかりなされ分かりやすい物語となっている。


4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。

*主人公の秘密が分かる部分。

彼女の言葉によって読者もハッとする。説明文やモノローグなどからとは違い、凄く自然に感じた。

*主人公の気質が言動から伝わって来る。

主人公は良く気が利き、思い遣りのある人物だと感じる。しかし、よく気が利くのは、よく周りや人を観察しているから。

優しい人物であるということもあるだろうが、秘密となる部分を補うという意味も含めていると感じた。その為、人として凄く自然な振る舞いであると思った。

*言葉を発しなくても行動から感情が伝わって来る。

例えば、胸をトントンとするなど。彼の心情が伝わってきて、とても優しい世界観であり美しさも感じてしまう。

何処かロマンチックな雰囲気も持つ物語であると感じた。

*彼の秘密と彼の家系

ここに密接な繋がりはあるのだろうか?

SFでありながら、とても幻想的な雰囲気も持ち絶妙なバランスがとても良い。

*夢を感じる物語である。

これは物語(フィクション)かも知れない。しかし、確かに振動は同じ意味を持っている。主人公の夢が叶ったのは”たまたま”色んな偶然が重なったことによるのかも知れないが、奇跡でもある。素敵な物語だと感じた。

*言葉選びなどがとても良い。

優しく風が頬を撫でるような優しい物語であると感じた。


5 お奨めしたい部分

ある秘密を抱えた主人公が、たまたま超新星爆発の為近くに留まっていた船(他の星の者)のものと出逢う。

主人公には祖父から引き継いだ夢があり、主人公にとっても希望を齎す夢であった。

主人公は彼女と出逢うことにより、自分のしていることを話す機会を得る。今までそれについて誰も興味を抱くこともなく、聞かれることもなかったことだった。彼女の星はここよりも技術の優れたところらしく、主人公の探しているものについて詳しく調べることもできる文明を持っていたである。このことが主人公に幸運をもたらすのだ。

全体的にロマンを感じる物語であり、作風にも美しさを感じる物語である。


6 物語のその先を想像して

恐らく主人公の夢は叶うのだと思う。今はそのスタート地点に立ったところ。

彼を待ち受けるのは、ずっと望んでい夢が叶う未来なのではないだろうか? と想像した。


あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る