コトワリノ守り人《ハーフィズ》
鵠 厨子 様作
【あらすじ引用】
世界を改変する法則災害 《ハザード》が日常的に吹き荒れる世界で、人類は常に滅亡と背中合わせだった。
その原因である星の力を理 《アドワール》として技術転用した
新人ハーフィズのシャディーラとユセルは任務で【世界の果て】大嶺山脈に向かう。
そこで保護した一人の遭難者は、薔薇都市国家同盟の議長国、ウラルトゥの後継者 《ハズラト》であるアラム。
当初ただの遭難かと思われたその救出劇は、皇家直系のアラムを狙った、イブラシード皇国解体にまつわるイブリスの民の王の陰謀の一端に過ぎなかった――
【物語は】
ある者が玉座へ乱暴に連行されてくるところから始まる。どうやらこの者は、追手から親友を逃した者らしい。この場面の様子から、彼のこれからの処遇が心配だが、逃した相手の安否も心配である。果たして彼の親友は無事、逃げ切ることが出来るのだろうか?
【世界観・舞台】
オリジナルの世界観。ハイファンタジーとは、異世界そのものを舞台としており、現実の世界とは異なる「法則」で成り立っているもの。(ウィキペディア調べ)。そして、ハイファンタジーには三つの系統があるようだ。
1 最初から最後まで異世界が舞台
2 現実世界の住民が異世界に紛れ込む
3 歴史や神話の世界を舞台とするもの
これらがハイファンタジーの系統らしい。物語の展開を見ると、1に属するハイファンタジーなのではないかと思われる。
この物語は近代的なシステムを導入したファンタジーの世界を舞台としている。というのも、”世界を改変する法則災害 《ハザード》が日常的に吹き荒れる世界”を舞台としているからだと思われる。つまり何らかの形で身を守れないと、死んでしまう可能性があるからだ。となれば、何らかの身を守るシステムを産みださなければならない。
システム自体は画期的であるが、ファンタジーらしさを取り入れている。その為、独創的で想像力が豊かな土台、世界観だと感じた。
【理(コトワリ)の守り人】
彼らがどんな存在で、何をしている人たちなのか。これを理解しておくと、この物語を最大限楽しむことが出来るのではないかと感じた。
この、人々を守るための道具(?)は修理の必要なこともあるらしい。それは窓口業務で受付をして行われるようだ。スマホの修理のようなものだと想像したら近いのだろうか?
本編に入ってすぐに、彼らの通常の業務について明かされていく。恐らく主人公となる(もしくは主人公の一人)女性が、窓口で業務をこなしている。しかし、その内容に問題が起きていた。この問題を通して世界を改変する法則災害から人を守るために作られたシステムが、一体どのようなモノで、どんなことをしたら問題になるのか明かされていく。
そして、ここで組織(理(コトワリ)の守り人たち)の形態についても分かって来る。この作品には、上部に前回までのあらすじがついているため、とても分かりやすいのもポイントの一つ。
【登場人物・物語の魅力】
主要人物と思われる三人には、それぞれ個性を感じる。研修で窓口業務を務める女性は、とても人間らしい性格をしているという印象。思ったことを伝えることもできるし、空気を読んだり、深く考察したりして自分の行動を選んでいくタイプ。彼女のピンチを救ったのは、冷静で戦いに慣れているように感じる、少年。そして二人の保護者のような位置にいる人物は見目麗しいが、どうも女性にはだらしがないという印象である。
この三人が、冒頭の話とどう繋がっていくのだろうか?
設定がしっかりしており、説明は会話などからも明かされていくが、笑いも含まれコミカルな部分もあることから、物語には親しみやすさを感じる。
【物語の見どころ】
読了部分がまだ序盤の為、これは想像となってしまうが、この物語はある二つの物語が交差し、更に展開されていくのではないかと予想する。つまり、どこかで冒頭の話の人物と、本編に入ったのちに出てくるハーフィズ達が出逢うことで、更なる展開を見せるのではないか? ということ。
そこに至るまでは、ハーフィズ側の研修を通した日常により、世界観や舞台がどんなところか明かされていき、ハーフィズについても語られていくのではないだろうか?
薔薇都市国家もとても面白い構造をしている。何故その名がついたのか分かりやすい。
この後、物語は”新人ハーフィズのシャディーラとユセルは任務で【世界の果て】大嶺山脈に向かう。そこで保護した一人の遭難者は、薔薇都市国家同盟の議長国、ウラルトゥの後継者 《ハズラト》であるアラム”という展開を見せる。(あらすじより引用)ここで、彼らの運命は交差するのではないだろうか? そこからが、真の始まりなのかも知れない。
あなたもお手に取られてみませんか?
彼らが、ウラルトゥの後継者に出逢い、どんな転機を迎えるのだろうか? この先どうなっていくのだろうか? 是非その目で確かめてみてくださいね。
お奨めです。
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