僕はモテモテです。ジミ子限定ですが。

さとみ・はやお 様作


【あらすじ引用】

あらすじ

彼女ナシの高校生、相賀保志雄は憧れの同級生・貴音華子に告白して、見事玉砕する。

激しく落ち込んでいた彼に「恋愛マエストロ」の異名をとる先輩、茂手木達人がモテの極意を伝授。

すると、効果はテキメンで……!?


【物語は】

学校が終わり主人公が帰宅しようとしたところ、ある小さな事件が起きる。これが噂に聞くモテ男というやつなのだろうか。

早速、ある女生徒二人に取り合いされる主人公だが、いまいち嬉しそうではない。家まで遠回りになってしまうからか?

いや、違う。原因はどうやら他にあるようだ。

どんな経緯でモテが到来したのだろうか。

とっても気になる展開だ!


【登場人物・物語の魅力】

本編に入ると、主人公が既にモテているところから始まる。あらすじから想像するに、”恋愛マエストロ”からモテの極意を伝授してもらった後なのではないかと思われる。物語は、回想によって紐解かれていく。段々時間が戻り、謎が解ける様なスタイルが面白い。


好意を持っていた相手に、自分よりもハイスペックな男子生徒が告白することを知った主人公は、友人に焚きつけられ、意中の女生徒に告白を決意する。


ここでの、主人公の考えや気持ちには共感するものがある。

確かに、うまく行かないことが分かっていたとしても、未練というものは残り続けると思う。告白は”うまく行くと思うからする”とは限らない、という事である。


この物語には、笑いが多く含まれる。主人公のツッコミが面白いなと思った。主人公に好意を寄せる女生徒たちは少し強引であり、”少し行き過ぎているのではないか”という行動にも出る。しかし主人公は、”恋愛マエストロ”から伝授されたことを守り、何とか危機を切り抜けていく。


【世界観・舞台の魅力】

舞台は学校である。モテるモテないが分かれやすい年代。しかしながら、学生の時のモテるタイプは、社会に出ると変わったりするためずっとモテるとは限らない。

面白いなと思うのは、学生の時期には”スポーツの出来る生徒”がモテやすかったりするが、社会にで出ると営業などの”コミュニケーションの上手な人”や、”仕事の出来る人”がモテたりする。または気遣いの出来る人や、料理の得意な人などと、学生時代のモテるタイプから移り変わっていく。

年代や環境などによって、モテる傾向は変わっていくように感じるのだ。


【論理的なモテ】

ネタバレをすることは出来ないので、内容は伏せ”モテについて”知った時の感想を少し。

これは論理的である。かつ、納得のいく内容だと感じた。実際にモテるかどうかは、その人次第かも知れないが。例えば人には容姿の好みもあるので。

だが、試してみたくなる内容であることは確かである。


しかしながら、主人公のモテ方を見ていると大変そうだなという気もしてくる。果たしてモテることは本当に良いことなのだろうか?(良いことばかりなのか?という意味合い)

そんなことを考えてしまう。


【モテのビフォーアフター】

主人公は観察のしがいがある。モテる前もモテた後も、それなりに辛そうであるからだ。もちろん悩みの方向は違うが、純粋に喜べる状況に見えない為だ。

もし自分が主人公の立場だったら、”どうなのだろうか”と考えながら読むことのできる物語である。羨ましいよな、違うような複雑な心境だ。


【物語の見どころ】

結果から始まる物語。段々と時が遡り、これまでに何があったのかが明かされていく。結果があって、その経緯が明かされていくが、発端まで一旦時間がどんどん巻き戻っていくのが面白い構成だと思う。

もしこれが時系列ごとに展開されていたら、早い段階でモテの極意が分かってしまう。結果から効果的に見せることで、何があったんだろうか?どんなことなのだろうかと、好奇心を刺激するのである。とても構成の巧い作品だ。


主人公や主人公を取り巻く人々は、とても個性的である。コミカルであり、笑いが含まれているため、とても読みやすいと感じた。


モテの極意は、試してみたくなるような内容であり、論理的である。しかしながら主人公を見ていると、真似することを躊躇う。とてもいバランスで保たれた作品だと感じた。


あなたもお手に取られてみませんか?

現在モテている主人公ではありますが、念願の彼女を作ることはできるのだろうか?ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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