家では大型犬(?)が待っている

百度ここ愛 様作


───自分以外は他人だという事を忘れてはいけない


【物語は】

妻の不満が積み重なっていくことで展開されていく。

この物語は”夫婦”にスポットがあてられ分かりやすくなってはいるが、親だろうが兄弟だろうが原理は同じである。自分が思っていることは、自分以外にはわからないものだ。分かってくれる人というのは、常にそういう視点で見ているだけであり、世の中の大部分は自分を理解してくれない人である。


【言葉の大切さ】

この物語では”夫婦”という関係を通し、コミュニケーションの大切さについて改めて学ぶことが出来る。短編ではあるが、前半は主人公の主観により”自分の正義”や”思い込みによる正しさ”というものが描かれている。それはあくまでも主観でしかなく、”我慢”や”察してくれない人への鈍感さ”を責めるものである。そこには女性なら共感できる部分が多いと思う。


【好きだから悲しい】

何故愛情が失われていくのか?この物語では、幸いそこまでには至らないが、愛情が失われていく過程にも気づくことが出来る。正直な話、日本人男性は環境の為か、まだまだ気遣いの出来ない人の方が多いと感じる。多様性、男女平等であってもなお妻や母に甘えている人が多いように思える。しかし、そうさせている妻にも責任があるという事だ。本当に好きであるならば、相手も一緒にいるために一緒に解決へ向けて話を聞いてくれるはず。


【愛とは一方的なものではない】

結婚後に文句ばかりの人というのは、結婚前から相手に合わせて我慢をしている可能性がある。その時は好きだから、フラれるのが嫌だからと我慢が出来ていても、何十年も我慢で愛情が続くわけではない。何故コミュニケーションが必要なのか?それについては物語上で語られている。この物語では、妻はあることをきっかけに自分の考えを改めていくこととなる。もしかしたら、それがホントの意味での夫婦のスタート地点なのかもしれない。


【日々近しい人に不満を持つ人へ】

そういう方にこそ読んで欲しい作品である。自分は我慢している、相手に気づいて欲しい。その気持ちが何んであるかと言うことも、この物語では教えてくれる。目から鱗とはこのことだとあなたも思うに違いない。

是非あなたもお手に取られてみませんか?

もしかしたら、驚くほど現状が変わるかも知れません。

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