　今日は、カレンの健康診断の日。

「どうなっているか、気になるね！」

「幼（おさな）いころは様々な病気にかかりやすいから、健康診断は欠かせなくなっている」

「あい！」

すでにカレンははしかなどの予防接種を打っているが、乳幼児（にゅうようじ）の健康診断は受けなければならない。

　そんな中、アルファは中華街（ちゅうかがい）にいた。

「さあ、みんな食べてらっしゃい！」

アルファは早速、魔（ま）獣（じゅう）の生成に取り掛（か）かる。

「大変だ！怪（あや）しい予感がする」

周囲の危険を察知したチララは、つぼみたちのもとへと駆（か）け付ける。

「王子さま、カレンのことをお願い！」

「わかった！」

「あい！」

つぼみは、チララとともに中華街へと向かう。そこには、アルファの姿があった。

「あら、またお会いすることができて本当に光栄（こうえい）ですわ。では、本日の魔獣はこちら！カロリーの魔獣ですわ！」

アルファの合図で、脂肪分（しぼうぶん）でできたカロリーの魔獣が現れた。

「さあ、変身よ」

つぼみは、プリンセスミラーでラブリーピンクに変身する。

「プリンセスジュエル、セット！プリンセス・ドレスアップ！」

つぼみは、ピンクの光に包まれていく。

「愛（あい）のプリンセス・ラブリーピンク、見参！プリンセスステージ、レッツスタート！」

　ラブリーピンクが現れると、

「これは、揚げ物や脂身の多い肉などを過剰（かじょう）摂取（せっしゅ）してできたものだ。つまり、脂肪分が元となっている！脂質は、炭水化物、たんぱく質と共に三大栄養素と総称され、多くの生物種の栄養素である。食品中の脂肪と言う時、脂質や脂肪（しぼう）酸（さん）を指す。常温で液体の油脂は油を指し、一方で脂肪と呼ぶとき固体のこともある。食品中の脂肪と言う時には、脂質を指し液体と固体の両方を含（ふく）む。自らの体を指して脂肪と言う時、脂肪酸のグリセリンエステルの中性脂肪であることが一般的（いっぱんてき）だ」

と、チララは魔獣の材料を見抜くことができた。

「アルコールや糖質（とうしつ）も同様のことが言える。あと、ご飯やパンなどに含まれる炭水化物の取り過ぎにも気を付けて！」

「うどんやパスタにも！」

「そう！栄養学上は、炭水化物は糖質と食物（しょくもつ）繊維（せんい）の総称として扱（あつか）われており、消化（しょうか）酵素（こうそ）では分解できずエネルギー源にはなりにくい食物繊維を除いたものを糖質と呼んでいる。三大栄養素のひとつとして炭水化物の語を用いるときは、主に糖質を指す」

ラブリーピンクとチララは、脂質と炭水化物の取り過ぎに注意した。

「早寝早起きも忘（わす）れないで！」

「適時な運動も！」

すると、ラブリーピンクとチララの言葉で、魔獣はだんだん小さくなった。

　「今がチャンスだ！」

「さあ、行くよ」

ラブリーピンクはローズクォーツのマジカルジュエルをプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授（さず）けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート！」

ラブリーピンクによる魔獣の浄化が始まった。

「It’s all right.」

「その先の未来へ」

「見果てぬ世界へ」

「歩いていこう」

「きれいごとは完全に」

「耳を向けないで」

「ずっと心の中に」

「正義があるよ」

「君が語る言葉に」

「なぜか　勇気が」

「湧（わ）いてくる」

「It’s all right.」

「一人じゃない」

「仲間がいる」

「喜び抱（だ）きしめて」

「It’s all right.」

「La　la　la…」

「It’s all right.」

「その先の未来へ」

「見果てぬ世界へ」

「歩いていこう」

「It’s all right.」

「ローズクォーツの輝（かがや）きでパワーアップ！乙女（おとめ）の愛！ローズクォーツ・スイート・ハート！」

ラブリーピンクはプリンセスバトンロッドでパステルピンクのハートを描（えが）き、魔獣に向けて放つ。すると、魔獣は消滅（しょうめつ）した。

　「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー！」

と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ！」

とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをラブリーピンクのプリンセスミラーに認識すると、

「コール。炭でできたマジカルジュエルだ。石炭とも呼ばれているコールは黒いダイヤモンドと称されたこともある。特に産業革命以後は最重要の燃料として、化学工業や都市ガスの原料として使われてきた。しかし、第一次世界大戦前後から、艦船（かんせん）の燃料が石炭の二倍のエネルギーを持つ石油に切り替わり始めた。戦間期から中東での油田開発が進み、第二次世界大戦後に大量の石油が採掘されて産業分野でも石油の導入が進み、西側先進国で採掘条件の悪い坑内（こうない）掘（ぼ）り炭鉱は廃（すた）れた。他の化石燃料である石油や天然ガス等と比べても、燃焼した際の二酸化炭素や硫黄（いおう）酸化物（さんかぶつ）などの有害物質の排出量が多く、地球温暖化、大気汚染の主な原因の一つとなっている。日本では、一般的に石炭と呼ばれるようになったのは、明治初年に西欧（せいおう）の採炭技術が入って、特にドイツ語Steinkolenを和訳したものとされる。それ以前は地方によって、五平太、石炭、岩木、燃石、烏（からす）丹（たん）、烏（からす）朱（しゅ）などと様々に呼称されていた」

　「それではみなさん、また次回輝く世界でお会いしましょう！プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ！」

ラブリーピンクが勝利宣言すると、

「もう、また負けちゃったんじゃないの！でも、次は許しませんわよ！」

アルファはこう嘆（なげ）いて、小型のマシーンに乗ってどこかに去っていった。

　「着いたよ」

「横中総合病院だ」

それから、つぼみたちはカレンの健康診断のために横中総合病院にたどり着いた。

「カレンさん、健康状態に問題はありません」

「分かりました」

カレンの健康状態に、異常はなかった。

「今後も体調管理には気を付けてくださいね」

「はい！」

「あい！」

つぼみたちは、カレンの育児により一層力を入れていくのであった。

　一方その頃、晴斗はしおりのところを訪れていた。

「しおり、お兄ちゃんだよ」

「お兄ちゃん！」

しおりは、晴斗の家から離（はな）れた校区にある祖母の家に預けられていた。

「今後のことも考えると、老人（ろうじん）ホーム入りも選択肢（せんたくし）に入るかもしれない」

藤村家にとって、家族の存続問題は課題となっている。

「あらゆる年齢（ねんれい）のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進（そくしん）する。妊婦（にんぷ）や子供たちの死亡率を減らす。エイズ、結核、マラリアなど顧（かえり）みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎（かんえん）、水系（すいけい）感染症（かんせんしょう）などの感染症に対処する。非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて減少させ、精神保健や福祉を促進する。薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。家族計画、情報・教育や性と生殖（せいしょく）に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。すべての人々に対する財政リスクからの保護（ほご）、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセスや安全で効果的で質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成する。有害化学物質、大気、水質や土壌（どじょう）の汚染（おせん）による死亡や疾病の件数を大幅に減少させる。すべての国々で、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜（てきぎ）強化（きょうか）する。主に開発途上国に影響を及ぼす感染性や非感染性（ひかんせんせい）疾患（しっかん）のワクチンや医薬品の研究開発を支援（しえん）する。開発途上国、特に後発開発途上国や小島嶼（しょとうしょ）開発（かいはつ）途上（とじょう）国（こく）において保健財政や保健人材の採用、能力開発・訓練や定着を大幅（おおはば）に拡大させる。すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和や危険因子管理のための能力を強化する。だから、すべての人に健康と福祉を」