第25話 実戦!!!

 実戦で試すはもちろん今攻略中の大森林エリアだ。

 大森林を大手を振って歩く。以前の私では間違いなく出来ない。

 そして目に付いたモンスターというモンスターを一匹残らず射貫いていった。

 流石にこの辺りの敵を倒してもレベルの上りは非常に遅い。

 敵を倒せる喜び、自分も役に立っているという喜びが戦闘をさらに加速させる。

 一体、一体、確実に射貫いていく。適当に撃っても当たるのだから、別に集中する必要もない、結果としてボスエリア周辺までかなり楽々と突破することが出来たのだ。


 異変は大きな湖を超えた後の事だ。

 3つの巨大な頭のある犬??がうろうろしているのだ...ドラゴンのうろうろ事件の再来だ。

 気付かれない範囲に近付きステータスを表示させる


「【状態ステータス】」


 Lv:90

 名前:「  」

 種族:【三頭犬】

 職業:【   】

 称号:【   】

 HP:150000

 MP:90000

 ATK:60000

 DEF:40000

 INT:40000

 RES:45000

 SPD:60000

 スキル:【頭突きLvMAX】【噛み付きLvMAX】【嗅覚強化Lv50】【瞬歩LvMAX】【猛突進LvMAX】【突撃LvMAX】

 特殊スキル:【氷結耐性LvMAX】【火炎耐性LvMAX】【聖魔耐性LVMAX】【認識加速Lv20】

 究極スキル:【神速】【覚醒】


 うわぁ....つよ...。

 でも、みんなで戦えば...倒せない訳ではなさそう...?

 確かにステータスは高いが...4対1なら...いける?のかな...スキルは大したことないしけど、究極スキルの【覚醒】...流石にやばいよね...。


 私も強くなったのでホープ達アタッカーのサポート位は出来ると思いたい。


「よし!やろう!」

「きゅう!」

「わかりました!

「はい!!」


 まずは...先制して遠距離から大きいのを一発...。

 まずは脳天に一撃...狙撃をぶち込む。


「行くよ皆【狙撃】!」


 私の矢を合図に戦闘が開始される。

 相手の防御力からして対してダメージは入ってないだろうが...不意打ちとクリティカルヒットのボーナスを加算しても...あぁ...6000か...。


「私行きます!!」


 イチゴは愛刀を握り締め、敵の攻撃を潜り抜けながら近づいていく。

 相手が巨大だからこそ、あのステータスであの速さを誇るのだ。


「【居合】!!」


 巨大な腕を蹴り上がり真ん中の首を切り落とす。すかさず、両サイドの頭がイチゴに噛み付こうとするので、それを狙撃して防ぐ。

 だが、私に防げるのは片方のみ、もう片方はシリュウが抑える。


「今だよ!ホープ!」

「うん!!わかってる!」


 私達が生み出した 相手の隙を逃さないようにホープがレイピアで貫く、魔力にて延長されたレイピアの先端は二頭を用意に貫く速度が乗った攻撃力30万の火力は絶大だ。


「ふぅ」

「終わったね」

「きゅう~!」

「いい連携だった」


 皆で勝利に喜ぶ。

 ホープの火力あっての勝利だ。

 正直私達だけでは勝てそうにない...

 そんな時だ。

 倒したはずの巨大な犬。その首が徐々に修復されていくのだ。


「まさか...自動回復?」

「まずい離れてっ!!!」


 完全に修復が完了した後、巨大な犬は方向を上げる。

 衝撃波?!しかもこれ...ダメージが付与されてる...


「広範囲攻撃...」


 衝撃波は辺りにダメージをばら撒き通り抜ける。

 その衝撃波に当てられたホープは微弱なダメージを受けて消える。

 200程のダメージしかないが...ホープをやるにはそれだけあれば十分だ...。

 死んだには死んだけど...復活するのは分かっているので悲しい訳ではない...だけど...。


 どちらかと言えば攻撃担当が居なくなった事で...非常にまずい状況になった。

 攻め手に欠ける...。スキル【剛射】を使って見たが...ダメージは一切入らなかったって言うか....相手のステータス...倍になってる...


 あっはは...無理。


 迫り来る巨大な猛獣を前に私は...生きる事を諦めた。


 ―――――――――――――――――――――――――――――

 あ~あ....ミーシャ達死んじゃった...


「よくやってくれるよまったく....犬畜生のくせに...はぁ」

「グォォォ!!!!!!」


 はいはい...。

 生き返れる...でも...流石にいい気分はしない。

 ちゃっかり私は何度か死を経験しているので、復活できるのは間違いない。それは体験している私がよく知っている。

 ミーシャも頑張ってたしプレゼント用意してあげようかな。


「ね。ワンちゃん。スキル【巨大化】!」


 鱗の無い肌には鱗が生え、身体はみるみる内に巨大化しやがては犬がかわいく見える程のサイズにまで成長した。

 犬にかまれても何の痛痒も感じない。


「やっぱそうだよね。それじゃ。頂きま~す」


 ガプリ。

 巨大だった犬を丸呑みにする。

 はい、終了。


「う~ん...あんまり美味しくない」


 私のドロップ品は食料...この美味しくないのをまた食べなきゃいかないのか...。

 まぁこれでミーシャ達も戦利品プレゼントを貰えるだろうし。

 さて、私も帰りますか...。

 戦闘不能になり蘇る瞬間、数分間インターバルが存在する、意識が無い内に獲得したアイテムはひっそりと【収納箱アイテムストレージ】に追加される。

 気付くかどうかは...運次第。食料品なんかは気付かない可能性さえある。


 まぁそれならそれでいっか。


 一先ず拠点へと戻る。

 まだ復活中なのかミーシャ達は居ない。

 その代わりに居たのは、ミルクとシープの二人だ。


「おかえり~」「おかえりなさい~」

「うんただいま~」

「みんなは~」「どうしたの~」

「死んだよ~」

『えッ?!?!』


 私の言葉に驚き珍しく取り乱す二人。


「え?死んだって?!」「死んじゃったんですか!?」

「もう少しで復活すると思うよ、ほらホープだって」

「死に戻りました...とほほ...」


 戻って来たホープは私を見るなり徐に収納箱アイテムボックスを確認するとジト目で私の事を見つめる。


「シリュウさん...私達に何か隠し事とかしてます?」

「ミルク知ってる~」「シープも知っています~」

「なんのことかなぁ????」


 やましい事を隠すには目を見せない事。

 これはミーシャから学んだこと。目の動きでミーシャが嘘をついているか嘘をついていないかが簡単に判断できる。

 その為に視線を外す。

 再び視線を戻してみるとミルクとシープがこっそり何かを耳打ちしている。


「~~で~」「実は~~なんですよ~」

「ふむふむ...ってええぇぇぇ!!!??シリュウさんそうだったんですか?!」

「ちょっとミルク!シープ!内緒だって言ったじゃーーん!」

「まさかシリュウさんのステータスが偽装だったなんて...]


 まぁいい。

 ミーシャにさえバレなければね。


「三人ともいい?ミーシャには言わない事!!これだけはほんとに守ってもらうからね」

『・・・・・』

「シリュウ?喋れたんだ...」


 馴染みある声が聞こえる事に恐怖を覚える。


「う、嘘...ミーシャ....」

「喋れたならもっと早く言ってくれればいいのに~」

「う、うん...不思議に思わないの?」

「え?う~ん...強いて言えば喋り出すの遅かったなぁって思って。だってイチゴも喋ってたし」

「まぁそうか...」


 戸惑う心とは裏腹に喜びを感じる。

 ようやく出来たミーシャとの会話...どうせならもっと感動的に会話をしたかった...。もっと...


「ねぇ見てみて!新しい武器!いつの間にか【収納アイテムストレージ】に入ってたの!特大剣だって!!」


 うっ...もう私が喋り出したのなんてお構いなしで...

 色んな事に興味津々で...まだまだ子供なんだから...

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