第1エリア 大草原

第9話 洗礼

草原エリアの丘付近に到着すると頭の中に言葉が響き渡る


≪エリア1 大草原≫


どうやらここからが本番の様だ、今まではなんだったのだろう...


草原はありきたりな草原だ、草が生い茂っており、綺麗な花が咲いている

さらには今までよく見てきたウサギの様な草食動物が沢山いる

 ぱっと見渡した感じでは肉食の様なモンスターは見当たらない

平和と言う言葉がよく似合う、そんな草原だった。


少し進むといつもと同じように兎が現れた、だがよく見ると少し見た目が違うようだ


ん?あれ?角はどうしたの?そんな立派な角はどうしたの?変なもの食べた?


そのウサギは昨日の可愛らしい姿からは想像もできない程、邪悪な姿になっていた。

真っ赤な瞳はうっすら光を放っており額からは大きな角が生えている、毛並みも変わっており真っ白な毛に所々黒い模様が描かれている


シリュウがそのウサギの前に立つとウサギもこちらに視線を向けてくる

戦う決意を決め【状態ステータス】を使って相手のステータスを確認する


え?



Lv:30

名前:「  」

種族:【グレーターラビットロード】

職業:【  】

称号:【統率者】

HP:30000

MP:2800

ATK:3000

DEF:2828

INT:1500

RES:2650

SPD:4000

スキル:【頭突きLvMAX】【噛み付きLvMAX】【猛虎Lv50】【雷撃Lv8】【雷雲召喚Lv3】【種族召喚Lv8】【薙ぎ払いLv5】【滅びの息吹Lv1】

特殊スキル:【火炎耐性LvMAX】【電撃耐性LVMAX】【物理軽減Lv10】【抵抗の意思Lv5】【認識加速Lv1】

究極スキル:【統率者】



なんなのこの兎!!私じゃ勝てない...昨日よりも成長したシリュウでも歯が立たない...

それに究極スキルって何よ...


未知の相手に対する恐怖が心のうちから沸いてくる、よく見るとシリュウからも汗が垂れているのが見える


逃げな....られない...


相手のSPDは4000どうあがいても逃げられる相手ではない

戦うしかない、でも...私なんかがいても何の役にも立たない


相手の前に立つが相手から仕掛けてくる気配はない、それどころか静観しているようだ、


ならばと、こちらから仕掛けようとするが突如ウサギの前に昨日の角が無いタイプのウサギが8体現れた


もしかしてこいつと同じくらいの化け物なんじゃ...


状態ステータス』を使いステータスを確認すると私と同程度のウサギが7体いるようだ、それに現れた8体のうちの1体はシリュウと同程度のステータスを誇る

 私がシリュウと同等の強さを誇るウサギを倒せるわけではないので、素直に7体を相手にしよう...

といっても真面目に相手をしてたら負けるので距離をとり一匹だけ離れた時に攻撃をすることにする


ウサギ達から距離をとると予定通りウサギ達はついてきた

後ろを確認しつつ走り一匹だけが前に出てくる、これも想定内だ

その一匹のウサギが他のウサギ達と離れたところで勢いよく振り返り、短剣を突き刺す


カウンター気味にヒットした短剣はウサギの脳天を貫いていた。まずは一匹!


それを繰り返し2体程撃破できた時の事

ずっと走り続けてたことで私の体力がつきかけていた、そもそも全力で走らないと追いつかれてしまうのだ、

まだ4体もいることに心が折れそうだが必死に足を動かす...だが―――


先に私の体が限界を迎えた、足に力が入らなくなり地面にへたり込んでしまう...

周りを見渡すとシリュウが壮絶な戦いを繰り広げていた

無我夢中で走ったことで意図せず近くまで来てしまった様だ。

距離をとらないと...シリュウの邪魔をしちゃう...


おもりを付けているかのように重い足を引きずり距離をとろうとする

後ろを向くとウサギ達が自分に攻撃を仕掛けようとしている

今の私じゃ回避は出来ない、短剣だけじゃ4体の同時攻撃を防ぐことはできない

ここまでかと思った時、脳内に妹の声が響き渡る


       ≪伏せて!!≫


慌てて身体を下げると冷たい風が体の上を通り抜ける

風が収まった後ウサギ達の方を向くとあまりにも衝撃的だった


攻撃を仕掛けていたウサギ達は氷に包まれ凍結していた

なのでその氷を短剣出攻撃し破壊する


ふぅ...なんとか7体を撃破できた、でもあの時の声はいったい何だったんだろう...

シリュウはいまだに激しい戦闘を繰り広げている...


私はそれを見守るしかない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る