7-2

 魔族の軍が攻めてきた。

 敵兵は五万人。

 味方は三万人。

 また激しい戦いになるだろう。

 魔族の中には、1000体のゴーレムと2000体の魔獣がいて、かなり倒しづらい敵となっていた。

「イージニー」

「はい」

「籠る一択だな」

「一択です」

「かなり人数の多い戦争になってきたな」

「なんとかなるでしょう」

「楽観的だな」

「そういうわけでもないです」

 ロスは、三十丁拳銃以外に、大砲も探しだし、使い始めた。砲兵隊長ロスといつの間にかいわれるようになった。ロスがゾンビなことは、みんな、見ればわかるようだが、ゾンビだからといって、嫌がられることはないようだった。みんな、ロスがゾンビなことを面白がっている。ゾンビになったロスは、人気者になったようだ。同じゾンビのリリアともうまくやっているようだ。

 魔法剣士シドニーは、その魔法剣でゴーレムをも斬った。凄まじい強さだ。

 ジンジャンは、魔術師として成長してきて、火炎と雷撃を使って、魔獣を倒している。

 メイビーは、相変わらず強いが、ゴーレム相手には苦戦しているようだ。槍をゴーレムに突き刺して、抜けなくなって、困っている。

 クラップも、大剣を持って戦った。ゴーレムは無理だが、魔獣なら倒せる。

 片腕の騎士は、両手がある頃はもの凄い強い剣豪だったらしく、公式な剣の修行をした者たちに尊敬されていた。

「有名なのか」

 クラップが聞いたが、

「いやあ、メイビーさんより強いらしいですよ」

 と答えられた。

「へえ」

 と、クラップはうなずいた。神界から来たメイビーより強いなら、そいつはどこから来たんだろうな。とクラップは思った。

「威張ってばかりいる将軍はどうしている」

「もっと偉い人がいるらしくって、小さくなってますよ」

 その報告に、クラップは笑った。

 気が付くと、地震がし始めた。

 そして、敵のゴーレムが城壁をぶっ壊し始めたようだ。

「くそ、なんだって、あんなやつがいるんだよ」

 ロスがゴーレムに怒鳴っている。

 敵のゴーレムはなかなか壊れず、数で少ないボロックは苦戦していた。

「これは夜を越すなあ」

 クラップがつぶやいた。

 戦いは日が暮れても終わらず、みんな、交替で眠った。

 連日連夜の長期戦になり、一か月くらい戦いがつづいた。

「敵のゴーレム、なかなか壊れなくてさあ」

 みんな、ゴーレムの文句ばかりいうようになった。

 少しずつ、少しずつ、ゴーレムを壊していった。ボロックの兵は、一体ずつ、一体ずつ、ゴーレムを壊していった。

 一か月もしたら、敵の軍勢は大半がやられており、クラップの指示で打って出て、一気に敵を撃破した。

 戦いの後、光速の剣士が仲間になった。

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