欲求を満たすために学校一の美少女をヤンデレにして何が悪い
しゆの
第1話
「
二階の自室から一階のリビングに行くと妹の友達である少女──
リビングにある大きめなソファーに座っている奈白は驚いたような表情でアメジスト色の瞳をこちらに向ける。
やはり何度見ても奈白は美少女で、優人はどうしても彼女で自分の欲求を満たしたい、と思う。
肩ほどまであるサラサラとした桃色の髪は艶があって綺麗だし、長いまつ毛に宝石みたいに美しい大きな瞳、透けるような白い肌はとても柔らかく、足腰は細いのに胸は平均以上に大きいので、奈白はどこか別の次元から来たと思わせるくらいの美少女だ。
しかも男心をくすぐるような少しあざとい性格をしているため、学校の男子たちからモテる。
高校一年生ながらに学校一の美少女と言われるくらいで、かなりの数の告白をされているらしい。
優人は二年だから学校での奈白については詳しく知らないが、毎週のように誰かが彼女に告白してフラれたという噂話が耳に入ってくるくらいだ。
今のとこ誰かと付き合うのは考えていないと言っていたため、特定の人はいないのだろう。
そんな完璧な美少女である奈白が家に来るという、一部の男子からしたら喉から手が出るくらいに欲しい状況なのは、彼女が優人の妹と仲がいいからだ。
休みの日は良く家に来るし、泊まることだってある。
だから優人は自然と奈白と知り合いになり、過去には二人で遊びに行ったこともあるくらいだ。
「あの、お兄さん?」
肩を抱かれながらも、奈白は困惑の色を見せる。
いきなり欲求を満たすためにヤンデレになってくれ、と言われて何も思わない方がおかしいだろう。
自分で言っておいて変だと自覚している。
ちなみに親友の兄という理由で、奈白は優人のことをお兄さんと呼ぶ。
「いい匂いだし柔らかい」
女性特有の甘い匂いに華奢な体躯ならがに柔らかい感触は、優人の理性をゴリゴリと削っていく。
さらに求めるために、奈白の首筋に自分の鼻を当てて匂いを嗅ぐ。
抵抗されることがないので、背中に腕を回して奈白の身体を味わう。
今は夏休みで暑いから白いブラウスに水色のミニスカートと生地が薄いため、まるで直接肌に触れているみたいだ。
「お兄ちゃん、妹がいる前で発情しないでくれる?」
シミ一つない白くて細いながらも柔らかそうな太ももを触ろうとしたら、妹である
白い目を向けられているのを察知したので、優人は首筋から鼻を離す。
でも、奈白から離れないで抱き締めたままだ。
「ごめん、気づかなかった」
千夏も美少女なので、気づかなかったなんてもちろん嘘だ。
でも、妹がいようと欲求が抑えられないため、優人はあえて気づかなかったと言っただけ。
「むう……確かに奈白と比べれば劣るかもしれないけど、私だって結構自信があるんだよ」
確かに頬を膨らます千夏も可愛く、奈白ほどじゃないにしろモテる。
長い亜麻色の髪をポニーテール調にしているから綺麗なうなじが見えるし、大きな赤みをがかった瞳、健康的な白い肌は兄である優人ですら可愛いと思う。
たまに兄妹仲良く遊びに行くこともある。
「もう少し成長してから言おうな」
「何をう。今は成長期だからこれから大きくなるもん」
千夏は可愛いのだが、女性の象徴たる胸が壊滅的なほどに小さい。
思春期になってからは直接見たことがないので詳しくは分からないが、恐らくはAカップだろう。
推定Fカップはありそうな奈白とはえらい違いだ。
「お兄ちゃん女の子を胸でしか判断しないの?」
「そんなことはない。俺は千夏を妹のように可愛いと思っているぞ」
「ようにじゃなくて実際に妹だからね」
妹である千夏を性的な目で見ることなど出来るわけがないが、やはり可愛いとは思う。
もしかしたら兄妹じゃなっかったら千夏を好きになっていた可能性すらある。
「確か千夏はまだスポブラだったな」
「な、ななななんで知っているの?」
自分の胸を両手で隠した千夏は、これ以上ないくらいに頬が赤い。
「何でって、家事は分担してやっているからだろ」
両親が海外出張で家を空けているため、自分たちで家事をしないけないのだ。
洗濯をする際ににどうしても千夏の下着が目に入る。
「あの……シスコン、ブラコン兄妹の会話に置いてきぼりにされている私はどうしたらいいですか?」
優人に抱き締められながら、今まで黙っていた奈白が恐る恐るといった感じで声を発した。
「シスコンじゃないけど悪かったな」
「ブラコンじゃないけどごめんね」
声が揃ったらシスコン、ブラコンに思われてしまうじゃないか、と思ったが、優人は口にすることはしない。
「いや、シスコン、ブラコン兄妹だよ。兄は普通妹のブラを知らないし、高校生の兄妹が二人きりで遊びにいくこともないと思うな」
「何? そうだったのか?」
奈白の発言に目から鱗が出そうなくらいに優人は驚いた。
一緒の家に住んでいるのだから下着が目に入ることはあるし、家族だから一緒に出かけるのが当たり前だと思っているからだ。
「ところで俺の欲求を満たすためにヤンデレになってくれ」
今はシスコン、ブラコンがどうこうじゃなくて他にすることがあるため、優人は再び奈白の瞳を見て言う。
「何でヤンデレなんですか?」
未だに戸惑いのある瞳をしている奈白から当然の質問が入る。
「ヤンデレ良くない? 好きな人にならどんな要求でも応えてくれるし」
好きな人に尽くしてくれるヤンデレは凄くいいな、と優人は思う。
流石に浮気したら許してくれないだろうが、ヤンデレは大抵の要求には喜んで応えてくれる。
「お兄さんはマニアックなことを私としたいの、ですか?」
「したい。俺は奈白と甘々ながらも穢れた学生生活を送りたい」
これぞ男の欲求、と思いながら握り拳を作り、優人は奈白に向かって言う。
「奈白と知り合って二年……手を出すのを我慢して仲良くなったんだ。そろそろ奈白の身体を堪能したい。ヤンデレになってくれ」
今まで胸を見るのを我慢してきちんと目を見て話したし、惚れさせるように努力した。
その結果、抱きつかれても問題ないくらいに好意を持ってくれたらしい。
二人きりになっても手を出さなかった甲斐があったものだ。
「潔いくらいに身体目的な告白ですね」
「うん。お兄ちゃんはクズ」
奈白の意見に千夏は同意する。
「クズに思われようが、俺は奈白の初めてが欲しい。そして奈白には俺だけを見るヤンデレにさせたい」
以前に未経験と言っていた記憶があるので、何としてでも奈白の初めてがほしい。
こうやって異性に抱き締められるのも初めてだろう。
「クズいのに独占欲が強い」
「千夏は黙ってて。独占しておけばいつでも呼び出せて出来るだろう」
「クズの塊……」
千夏に白い目で見られるが、今は気にしている場合ではない。
「欲求を満たすために奈白をヤンデレにさせて何が悪い?」
「開き直った?」
大小あれど性欲は人間の三大欲求の一つなので、したいと思うのは仕方ないことだ。
「私はお兄さんを……クズだとは思いません、よ?」
「え……?」
予想外の言葉に優人と千夏は目を丸くする。
完全にクズだと思われていると考えてたから驚いてしまう。
「他の男子と違ってお兄さんは私の目を見て話してくれる……今も胸じゃなくてきちんと目を見てくれてます。それが私にとって心地いいんです」
普通の男子なら奈白の胸に目がいくが、優人は見たいのを我慢して彼女の目を見ていた。
今ではそれが普通になってしまったため、どうしても胸より奈白の目を見てしまう。
きちんと目を見て話してくれる……そういったことが奈白に良かったらしい。
「私で欲求を満たしたいから仲良くなったのは少し不純かもしれませんが、そんなお兄さんのことを私は……好きになってしまった、みたいです」
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