第23話I can not hide it

未来の部屋に礼二は入ると理性的な事を語り始めた。


「上野さん、わたしの事、嫌いですか?」


「好きだよ。しょんべん臭かったのにな。」


「じゃあ、わたしとセックスして下さい。」


礼二の中で理性と欲望が戦いを始めた。


「未成年としたら、淫行で俺、捕まっちまうから二十歳にお前がなってからな。」


「合意の上でもダメですか?」


「ああ…。」


未来は、礼二を見つめて嬉しいと微笑んだ。

礼二は、未来のオデコにキスをした。


礼二は、このままだと理性が崩壊すると思い仕事があると言って部屋を出た。


神様は残酷だと礼二は思った。


代わりに美保を抱いた。


「二十歳になってから?」


美保は、礼二の話を聞いて思わず苦笑いをした。


「何か可笑しいか?」


「そこまで、女は待てないわよ。」


美保は、冷静に言い放った。


「でも、大事にしたいんだ…。」


「わたしは、割り切ってるけど、未来ちゃんの場合は本気だからね。」


頭を抱えて悩んでる礼二に美保はたたみかける様に言う。


「そうか…。」


「わたしが未来ちゃんだったら、長谷川さんとしちゃうかも、もちろん当て付けでね。わたし、茂さんが好きなんだけど、全然、振り向いてくれない。」


「編集長を好きなのか?妻子持ちだぞ。」


「そうなのよね。」


と美保は呟いてシャワーを浴びに行った。


長谷川に取られるぐらいなら…。


礼二は、酒をバーで一人で飲んでそのままの勢いで未来の部屋を訪ねた。


未来を抱きしめた。


そのままベッドで野獣のようにお互いの体を求め合った。


セックスが、終わると、礼二はタバコを吸いながら余韻に浸っていた。


未来は、ベッドの中で寝ている。


礼二は、未来を見つめながら涙を流した。


こんなにも人を好きになった事はなかった。


永遠にこの痛みにも似た状態が続けば良いと思った。


その、後に未来が記憶を無くすとも知らずに…。


永遠は、いつだって簡単に壊れる言葉だ。

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