第2話
家に大して財産が無いと思っていた智恵子は、麻生コンクリートがコンクリートの材料を安価に求めているという話を八代の田舎で風の便りとして知った。そこで目をつけたのが漁民の親父がいつも足で蹴って捨てている海鞘貝の屑であった。
確かそうたいね。海鞘貝ならばコンクリートの材料にうってつけたい!そして言った。
アンタ!私海鞘貝を集めたいのよ。
と言ったら居間で寝ている漁師の友蔵を叩き起こした。
そんな物どうするたいね。
欠伸をしながら腹巻きを両手でゴソゴソした。
あれは、おれのもんたい。
其れがねぇアンタ、麻生財閥がコンクリートの材料を探してるったい。
其れがどうしたったい?
貝を粉々にすればコンクリートの材料になるったいね。其れも麻生財閥は安価な材料ば探しているったい!
何!
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