第13話 もう日曜日? 早すぎだろ

「あ〜〜、今日のデート楽しみだな〜」


 俺の気分は最高で、待ち合わせ場所までスキップで行きたいくらいにウキウキしている。恥ずかしいからやらないけど笑

 俺は、通りがかった店のガラスで服装が乱れてないかチェックする。

 中にいる店員に見られたので、軽く会釈する。

 彩花の私服は清楚な感じの服が多い。今日はどんな感じで来るのかな。


 今日も寒くなりそうだ。天気予報では雪が降るって言ってたっけ?


 映画館の中は温かいと思うけど。


 * * *


 さみ〜〜。まじで寒すぎ。手袋持ってくれば良かった。


「にしても彩花のやつまだかな?」


 待ち合わせ時間を過ぎても、彩花からは連絡が来ない。駅の時計を見てみると、もう1時間以上も過ぎていた。いつもは待ち合わせ時間よりも早く来てるのにどうしたんだろう? もしかして……なにかあったのかもしれない。急かしてるみたいのが嫌で電話をしてなかったが、流石に1時間以上も過ぎているので、電話しても大丈夫だろう。


 プルプルプル


 プルプルプル


 プルプルプル


『昇? どうしたの?』


『何かあったの? 今どこにいるの?』


『え、なんで? 今友達とケーキバイキングに来てるよ。ここのケーキすっごく美味しいわよ。今度写真見せてあげるね。すっごい映えてるわよ』


『ケーキ……今日って、デートの予定だったんじゃ……』


『ああ! ごめん。今日だったっけ? 急に友達に誘われちゃって。連絡してなかったっけ?』


『聞いてないよ』


『そっか。ごめんね。それじゃあ、今度デートしましょ! あ、バイキング中で時間が勿体ないから切るね。元を取らなきゃね。バイバイ』


『ちょっ』


 プー、プー、プー


 ハックション!

 寒すぎてくしゃみが。


 はぁ〜。急に予定が入ったんなら言ってくれれば良かったのに。

 まぁ友達付き合いも大切だもんな。俺もたけと遊びに行こうかな。

 事故に巻き込まれたとかじゃなくて本当に良かった〜。




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 ってなるかボケ〜〜〜! ふざけんじゃね〜〜〜! 過去の俺アホすぎるだろ! あの後ちゃんと風邪引いたんだぞ!


 はぁ〜、はぁ〜、はぁ〜。

 夢の中で叫んだつもりが現実でも叫んでいた。


 昨日は、彩花と電話し終わったあと、お風呂に入ってすぐに寝たんだった。

 彩花と話をしたから、夢に出てきたんだと思う。夢と言いつつ、あれは実際にあったことなんだけどな。


 思い返してみると、あの慎重派な彩花が本当に忘れてたってことは、俺のことなんてどうでも良かったんだな。ただ、当時の俺は、事故とかじゃなくて良かったって本気で思っている。

 頭の中で無理やり、理由を作ってポジティブに考えてたんだと思う。


 昨日は色々有りすぎて、彩花の夢を見たのかもしれない。深層心理ではだいぶショックを受けていたのかもしれないな。


 今日は土曜日かぁ。嫌な夢を見たから、なんかスッキリしないなぁ。まだ眠い感じがするし。よし! 二度寝でもするか〜。


 布団がヌクヌクで気持ちいい〜。


 zzz


 zzz


 zzz


 * * *


 結局、あれからずっと眠り続けて、起きたら次の日の朝になってました。

 てことは、もう日曜日? 早すぎだろ。俺何時間寝てんだよ。


 ぐ〜〜ぐ〜〜ぐうぅぅ〜〜〜ぐ〜〜ぐ〜。


 お腹が減りすぎてヤバい。聞いたこと無いくらいにお腹が鳴ってる。

 ご飯は……炊いてないな。仕方ないレンジでチンすればできるご飯で我慢することにした。


 ご飯からはモクモクと湯気が出ており、凄く美味しそうに見える。米だけでも良いくらいだが。


 シャカ、シャカ、シャカ。


 ここにふりかけをかけて完成〜。

 シンプルだけど、朝はこれくらいで良い。

 シンプル・イズ・ベストだね。


 は〜。1日ぶりのご飯は美味しい! 空腹は最高の調味料ってね。


 美味しすぎて、すぐに食べ終わってしまった。

 後片付けを終えて、リビングで一息つく。


 ふぅ〜〜。


 …………やることは、無いな。

 学生のうちからこれはヤバいって。


 なにか夢中になれる趣味でもあれば良いけど、すぐには思いつかないな。

 昨日、走ってて意外に楽しかったから、今日も走ろうかな!


 そうと決まれば、さっそくジャージに着替えて、家を出た。


 * * *


 さっちゃんの家くらいまで走って見ようかな。

 昔から体力には自信があり、シャトルランではいつも一番最後まで走っていた。最後の方は気合だよな。音楽が早くなって焦らせてくるしな。

 最後まで走ってると、クラスメイトからは、いい加減早く終われよみたいな感じの空気を出されるが、空気を読まずに走りつづけたのもいい思い出だ。

 だって限界に挑戦したいじゃん?


 昨日の公園を横切ろうとすると、ご老人達がゴミを拾っているのを見かけた。

 この町に住んでるのにこういう活動をしている人達がいるのを知らなかった。昨日はあの空き缶にお世話になったし、手伝おうかな……

 いい意味でお世話になってないけど。


 おじいさん達が黙々とゴミを拾っている。


 ちょっと、話しかけづらいな。


 俺は公園の入り口付近でウロウロしていると。


「おお〜。堂道君じゃないか」


「あ、おじいさん」


 ゲーセンで不良に絡まれていたところを助けたおじいさんがいた。

 手にはゴミ袋を持っており、結構なゴミが入っている。


「朝早くからランニングかい? 頑張ってるね」


「ええ、ちょっと気分転換に走りたくなりまして」


「ほぉ〜。自分も若い時は走っていたけど、今じゃ走れないなぁ」


「まだまだ、元気そうに見えますよ」


「そう言ってくれるだけで元気になるな〜」


 このおじいさんに言ってみよう。


「俺もゴミ拾いに参加してもいいですか?」


 今は、色んな事をやりたいと感じた。


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 ここまで読んで頂きありがとうございます。


 ランニングって気分転換になりますよね。

 歩かないでずっと走りつづけるのはキツイですけど、終わったときに気持ちがいいですね。


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 改定

 2021/03/25 三点リーダーに変更

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