第15話 アルハトロス王国 魔法練習所
「んー!」
その声でダルガが気づいた。
「ローズ様? モイさん、起きて!」
ダルガの声でモイが起きた。
なんだか体が重い、けれどお腹が空いた、とローズが目を覚ました。ローズの隣でダルガと寝癖がちょっとかわいいモイがいる。昨夜、一緒に寝てくれたか、とローズは瞬いている。
「ローズ様!ああ、良かった!やっと起きて下さいました」
モイが泣いて、ローズを抱きしめた。ローズは何があったか分からず、彼女を困った顔で見ている。
「起きますか、ローズ様?」
ダルガは優しい声で話をかけた。
「はい。皆さんはどうしたの?」
モイに手伝ってもらいながら、ローズは寝台に座った。
「いいえ、何でもありません。ちょっと待って下さいね。お湯を持ってきます!」
モイは立ち上がって、部屋を出て、急いで湯とタオルを持って来た。ダルガは笑顔でローズを見てから、部屋を出て、扉を閉めた。
「お加減はいかがですか?」
モイは優しくローズの顔と体を拭いた。ローズが自分で拭きたかったのだけれど、モイはタオルを渡さなかった。
「大丈夫だよ。ちょっとお腹が空いただけだ」
「ああ、それは良かった。この後、お料理をしますね」
「うん」
嬉しそうなモイの反応に、ローズは違和感を覚える。
「ねぇ、モイ。私ってなんか、また何かやってしまったの?」
モイは何も答えなかった。彼女がただ微笑んで、着替えを準備して、着替えさせた。クシで髪の毛をといて、頭の上にぐしゃぐしゃになった花びらを手できれいにしてくれた。
「よし、できました。ちょっと、待って下さいね。お茶と朝餉を準備します」
モイは素早く洗面器と濡れたタオルと寝間着を片づけて部屋を出た。ローズも出ようとしたら、ミライヤの声が聞こえた。部屋の扉を開ける前に、先に向こうから開けられた。
「ローズちゃん、やっと起きて良かった♪。心配したわよぉ」
ミライヤはいきなりローズを抱きついた。そして彼女が微笑んで、ローズを離した。
「おはようございます、ミライヤ先生」
「おはよう、ローズちゃん。どう?体に痛いところはない?気分はどう?」
ミライヤが問いかけられると、ローズが首を傾げた。黒猫のリンカも入って、ローズの鼻に猫の鼻キスをした。
「体は大丈夫です。痛いところはありません。ただ・・」
「ただ?」
「お腹が空いたのです」
「あはは。それは良かった。今モイさんは台所で忙しそうに料理をしている。もうすぐ簡単な朝餉ができると思うわ。ここのところあまり買い出しをしていなかったから、少し我慢してね」
ミライヤが笑いながらローズを見た。
「あの、先生。私は何かやってしまったのですか?」
「何も覚えて無かったのか?」
「ごめんなさい、何があったか、分かりません」
「うーん、ローズちゃんは覚醒した時に、すごいエネルギーを放って、屋敷をちょっとだけ壊しちゃったの」
「えっ?!」
またやっちゃったか、と彼女が落胆した。今度こそ、またここから追い出されてしまう。もう行くところがなくなってしまう、とローズは不安そうな目でミライヤを見ている。
「ご、ごめんなさい、先生」
ローズが泣いてしまった。不安がいっぱいで、どうしようもなかった。ミライヤは微笑んで、ローズを優しく抱いた。彼女がローズの頭をなでながら、優しく声をかけた。
「よしよし、泣かないで。ローズちゃんを泣かしたら私はリンカちゃんに嫌われてしまうわ」
ミライヤはローズを見て大きな笑みを見せた。
「大丈夫よ。屋敷を吹っ飛ばしているのは、ローズちゃんだけじゃないの。私もだよ~。仲間だよ~」
フォローになってない。爆破仲間ですか、私とミライヤ先生は・・、とローズは信じられない顔でミライヤを見ている。
「実験が失敗で、良く屋根まで穴が空いてしまったわ。壊すたびに村人が直してくれるから、今はもう平気よ~。大丈夫、追い出したりはしない。そんなことをしたら、リンカちゃんは本当に私のことが嫌いになってしまうからねぇ」
「ふん」
黒猫のリンカは寝台の上に座って鼻音を鳴らした。
「じゃ、今日はローズちゃんはやっと起きたので、朝餉食べ終わったらちょっとどこかに遊びに行こうか?この近くに小さな湖があって、とてもきれいですよ。リンカちゃんも一緒に行くからねぇ~」
ミライヤの言葉を聞いて、ローズはリンカを見た。ミライヤがローズを降ろして、彼女の隣に座った。その時リンカはただいま毛のグルーミング中だ。忙しそうに自分の毛をきれいにしている。それを見ているローズが思わず笑ってしまった。
「あら、もう笑った。さすがリンカちゃん、子どもの機嫌を直すのがお上手♪」
ミライヤはにっこりと笑って、しゃがんだ。
「はい。リンカ、大好き♪」
ローズがリンカを抱いて、顔をスリスリした。ローズが自分の真似をしている仕草を見たミライヤは笑って、うなずいた。突然抱きついたローズの顔に、リンカがグルーミングした。ざらざらと猫の舌に、くすぐったい、とローズはケラケラと笑った。
「リンカちゃん、私もグルーミングしてちょうだい」
「ふん」
ミライヤの頼みに、リンカは無視し部屋を出て行った。すたすたすた、と。やはり猫はどの世界も一緒なんだね、とローズは思った。
「さて、私も仕度しなくちゃ。朝餉の後、屋敷前に集合ね」
「はい」
ミライヤは部屋を出て、自分の屋敷に戻った。ローズは部屋を出て、もう絨毯の上に座っているダルガに挨拶して、隣に座った。ダルガはポットの中から花の茶をコップに煎れてローズに差し出した。
「どうぞ」
「ありがとう」
とても美味しい花のお茶をいただいて、おとなしく料理中のモイを待つことにした。ダルガはもう軽装備を体にまとった。彼の隣には剣がおいてある。
「ダルガさん、私は今日寝坊したから、走れなかった。ごめんなさい」
「いいえ。明日から走りましょう。少しずつ、無理せずに、な」
ダルガが優しく言って、お茶をまた飲んだ。
「皆は、私がやっと起きたと言ったけれど、あれはどういう意味ですか?私はそんなに寝ていたの?」
「まぁ、1ヶ月間以上もあったかな?いや、2ヶ月だったかな?良く数えていませんでしたけど・・、とてもぐっすりと寝ていましたよ」
「え?そんなに?!」
ローズが驚いた。
「はい。でも、今はもう元気に戻ったのだから、ほっとしました」
ダルガが笑って、ローズを見た。本当に良かった、と彼がそう思った。
「心配をかけてしまってごめんなさい」
ローズが頭を下げた。本当に心配をかけてしまった、と彼女が心から謝罪した。
「問題ありません。これも役目ですから」
「ダルガさんってすごい武人ですね」
役目に忠実している、という感じがした。少なくてもローズはそう感じた。
「ははは、いやいや。普段通りにやっているだけですよ」
本当に良い人だ。顔は格好良いけれど、中年っぽいだ。髪の毛が短く、色は黄色いか茶色の混ざったっぽいだ。体ががっちりしていて、筋肉質な体格で、黄色の猫耳が案外かわいい。長い尻尾が絨毯の上に伸びている。
「あ、そうだ。柳さんから荷物が届いたよ。ちょっと待ってね、取ってきます」
ダルガは立ち上がって、ローズの部屋に置かれている荷物を取ってきた。再びローズの隣に座って、荷物を渡した。ローズは柳からもらった荷物を開けて、その中に箱1つと手紙1通が入っている。字の読み書きがまだ下手のだから、ローズはダルガと一緒に読むことにした。
そうか、向こうでも、いろいろなことがあったんだ、と手紙を読み終えたローズは思った。ありがとう、柳。後で手紙の返事を書く、とローズはそう思いながら、箱に手を伸ばして、開けた。その中身を見た瞬間、言葉を失った。見たこともない美しい輝きの薔薇の花のブローチだった。
「わー」
「すごいな、この輝きだと、巨大雷鳥石だね」
「へぇ、きれいですね。その石はとてもレアですか?」
「レアどころか、年に一つ出るか出ないか、とても珍しい宝石です。それに、これを手に入れた、ということは柳さんは、あの巨大雷鳥と戦ったんだね。あの雷鳥の10倍になるぐらいの大きさの鳥ですよ。普通の雷鳥石は、このような輝きをしません」
「ひぃー」
「獰猛という済まされないレベルの鳥だ。あの港でいる鳥もそうだけど、一人で倒すには大変でしたよ」
ダルガはそのブローチを見ながら、言った。
「じゃ、命がけの宝石ですね」
「はい。大切にして下さい。このような贈り物した柳さんの気持ちに答えられるように、これから一緒に頑張ろうね」
「はい」
ローズの目がそのブローチから離れなかった。モイが来た時も気づかずにでいた。
「まぁ、それはなんですか?」
料理を運んで来たモイが興味津々と覗いている。
「柳兄さんからの贈り物です。自分で取って来た雷鳥石だ、と手紙に書かれていた」
「きれいですね。胸に飾りましょうか?」
「お願いします」
モイはそのブローチを手に取って、ローズの服の胸の真ん中あたりで付けた。本当にきれいだ、とモイはにっこりと笑った。さすが欅の作品だ、とローズは思った。
「ありがとう、モイ」
「いえいえ」
モイはにっこりと笑って、ローズを見た。
「さて、お待たせしました。これしかなかったから、仲良く3人で食べましょう!」
「はい。いただきます!」
ローズたちは仲良くモイが作った朝餉を食べ始めた。クレープのような薄いパンケーキに、干し肉のスライス、バター、刻んだ野菜、そして目玉焼きだ。塩味のクレープがとても美味しい。ローズもダルガももぐもぐと食べながら、食事を分け合っている。モイも微笑みながら、自分のお皿にある食事をきれいに食べた。やはりこういう食事会は良い、とローズは思った。
「やはりモイさんの料理は美味しいね、ローズ様」
「うん、本当に美味しい」
ローズもうなずいた。実際に素朴で美味しかった、と。
「二人とも・・、ありがとうございます」
照れているモイの顔に赤みが見えた。
「今日の帰りに、買いだしをしないと、もう食べるものがないのです。村人に定期的に運んでくれるように頼んだけど、お粗末なものが多くて、やはり自分で買って料理を作った方が良いですよね。注文を止めないといけませんね」
モイがそう言うと、ダルガもうなずいた。
「そうか、あとでミライヤ様に伝えます」
「ありがとうございます」
ダルガさんは笑って、そしてお皿に最後に残ったクレープに手を伸ばす。
美味しい食事を終えたダルガたちが身支度して、ミライヤの屋敷前に向かった。外に出ると、すでに村人達は屋敷の修復に働いている。かなり大幅な修復作業だ、とローズは驚いた。なんてことだ。屋敷の半分以上に、ほぼ壊れてしまった。弁償しなければいけないのか。後でミライヤに聞いてみる、とローズは思った。
「おまたせ~。はい、みんな、馬車に乗って~」
村の方から、ミライヤは馬車に乗って帰って来た。
「馬車がないと不便だからね。だから、馬車を買って来たよ~」
「えっ?」
ローズはまた驚いた。ダルガはローズを抱いて、先に乗っているモイに渡した。ダルガは運転して、その横にミライヤが座る。黒猫のリンカはローズの隣で猫座りしている。
ミライヤの屋敷からずっと上に行くと、一つの湖がある。色がとても美しい。とても青く、周りは大きな木や植物が多く、とても美しく感じる。なんと、これもミライヤの所有地だ、とローズはその事実を聞いて驚いた。この私有地では、大魔法の練習所が完備されている、とミライヤは説明した。
「ローズちゃん、魔法の練習がしたいなら、ここの施設は自由に使ってね。ダルガさんと二人で、行っても良いし、リンカちゃんと一緒だけでも、良いんだよ。私の許可は要らないからね」
「はい」
ローズがうなずいた。
「ちなみに木を倒しちゃったとか、地面に大きな穴を作ってしまったとか、山や木々を吹っ飛ばしたとか、全然問題ないよ~。姿を元に戻す魔法をかけているのだから、一日あれば元通りに戻りますからねぇ」
それを聞いたローズは瞬いている。
「そんな便利な魔法があるんですか?」
「ありますよ。ただ、かなりの修業しないとできないけどねぇ」
ミライヤが微笑みながら言った。
「そりゃそうだ、ははは」
ダルガは笑いながら、器用に馬車を止めている。馬車が止まると、彼はローズを腕に載せて、モイの手を取って、降りるのを手伝った。
まだ足腰がふらふらのローズを気遣って、ダルガはずっとローズを腕に抱きかかえたまま、ミライヤの案内や話を聞きながら、散歩を楽しんでいる。
「あそこは大地の魔法の修業に適しているところだよ~」
ミライヤは木々に囲まれている空間で真ん中に円が描かれている場所を示した。
「あそこだと、大地の気が集まりやすい。ローズちゃんの蔓や鞭も出るかも知れませんよ」
「入るだけで、ですか?」
「そう。試してみる?」
「はい」
ダルガはローズを降ろして、円の近くまで一緒に歩いた。中に入ると、ものすごく力を感じて、体のそこから湧き出すような感じがする。
「感じたままに、体全体に回るように、と想像して下さい。蔓を感じているように、と意識して下さいね」
細かい指示を出したミライヤと心配そうに見守るモイだ。そしてローズから一時も目をまったく離さないダルガだ。おそらく、何があったらすぐに動けるように、心がけてしているのでしょう。
一瞬の早さで、4本の蔓が同時に出た。うようよと宙に数メートルまで伸びている。
「今度は鞭ですよ、手の平を認識してね~」
「はい」
手のひらに集中すると、温かい何かが集まって来る、とローズが感じる。
「じゃ、契約の言葉を言いましょう」
「契約って?」
「柳さんの言葉と同じく」
ローズが迷った。あの呪文で、屋敷を爆破してしまったんだ。大丈夫なのか、と彼女はダルガを見ている。ダルガもミライヤもいるから、何よりも屋根と壁もないので、大丈夫かもしれない、とローズは思った。
「大地よ!ローズが命じる、我に力をあたえたまえ!」
ドーン!
凄まじい力が、地面から湧いて来た。足から入り、体全体に回り、手のひらに動き、手のひらからスッズッと素早く何かが出てきた。
「今、それをにぎって!」
ミライヤの指示に従って、ローズは力をしぼって強く握った。
パン!
乾いた音が響いた。良く見ると、鞭にトゲがびっしりと付いている。当たると痛そうだ、と彼女は思った。
「ほう」
ダルガは感心して、観察している。
「それはローズちゃんの母上が与えた武器なんですね。ナイフや短剣と違って、こういうのはとても便利ですよ。ただ魔力を使うので、毎日訓練しなければいけない。ダルガさん、その鞭の使い方を明日からローズさんに教えてちょうだい」
ミライヤがダルガに言うと、彼はうなずいた。
「はい、でも私は鞭を持っていません」
「物置にあると思うけど、あとで確認するわ。なかったら、なんとかするよ」
「分かりました」
ミライヤがそう言いながら、ローズを見ている。
「では、ローズちゃん。その鞭をしまいなさい」
「どうやって?」
「しまう!、と言うことを考えれば良いのよ」
ローズは言われた通りにやったら、鞭が消えた。しかし、蔓がまだうようよしている。
「さて次は、目を閉じて、手を楽にして、大地からエネルギーを感じる、とやってみて下さい。そして自分自信を癒やしてみる、と想像して下さい」
ローズは言われたまま、その指示に従った。すると、大地のエネルギーを体に入って、その力を肌で感じる。
おお!何かが温かいのが手に集まった。とても優しい感じのふわふわ感のあるエネルギーで、重くなっている、と彼女は思った。
「じゃ、両手を上に上げて、自分自身にかけてみて。呪文は自分の言葉でなんでも良いのよ。想像しやすいように」
ミライヤが言うと、ローズがうなずいた。
「ヒール!」
昔ゲームで聞いたような言葉が思い出した。前世の記憶だ、とローズは思った。その魔法を口にしたら、体中で漲るような力に包まれている感じがする。
ほう!疲れがとれた!このエネルギーの再チャージやリキャストタイムがあるのか、と試さないといけない。1秒、2秒、3秒、まだか、4秒、5秒、きたー!
「ヒール!」
ローズは近くにいるダルガにかけてみた。
「どうかな?」
ローズが聞くと、ダルガはうなずいた。
「良いですね。体中に温かい回復魔法に包まれていますよ、ローズ様」
「わーい!」
ダルガの答えを聞いたローズは嬉しそうに笑った。
「良くやったわ!」
ミライヤは微笑みながら、褒めた。
「さて、練習はここまでね。まだ本調子ではないから、暴走したら大変ですからねぇ。蔓をしまいましょう。軽く散歩して、休憩場に行きましょう」
「はい」
円の外へ出たら、足がまたふらついてしまった。ダルガは急いでローズを抱いて、腕の上に載せた。円の中にいる時は、なんともなかったのに、外に出ていれば、やはりその疲れがかかって来る。あの円の中には増幅装置があるかもしれない、とローズは思った。
ミライヤは他の属性の練習所を案内した。とにかく4つの基本属性魔法をマスターしなければいけない。最初は大地の魔法、そして火属性の魔法、続いて水属性の魔法、と最後に風属性の魔法だ。これらは1年間すべてマスターしなければいけない、というハードなスケジュルとなっている。また鞭の使い方も、体力訓練も、武器訓練と属性魔法と武器の合成の訓練も、そして当然読み書き練習もしなければいけない。怠ける暇はない。
「私は基本的なことしか教えません。ヒントはすべて屋敷の中にある図書室にある。自由に使って良いわ。どうしても分からなければ、聞いても良いけれど。まずは努力して自分でやってみて下さいね」
ミライヤがそう言いながら、微笑んでいる。
「はい」
ローズがうなずいた。
「大変でしょうけれど、あなた達、3人で力を合わせやって下さい。モイさんは毎日お弁当の準備大変でしょうけれど、料理を頑張ってね」
「はい、ミライヤ様」
モイもうなずいた。
「そうだわ、休憩所はあちらにある、あの六角形の屋根の建物だ。あそこは回復魔法を入れているから、疲れた体や魔力の回復が早く、元通りになるわよ。自由に使って良い」
ミライヤは次々と自分の練習場を案内した。ローズたちは、一回りぐるーと練習所を回ってから再び馬車に戻った。かなりの距離だった。
「どうだった?明日から頑張れそう?」
「はい!」
「良い返事ですね。えらいね、ローズちゃん」
ミライヤはローズの頭をなでて笑った。ダルガに抱きかかえてもらっていると、本当に小さな子どものようだ。実際に小さいけど、とミライヤは思った。
「さてと、昼餉を食べようか!エスコドリアまで行きましょう!」
ミライヤの提案に賛同したローズたちは馬車を乗って町へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます