第37話 夏休みのおもひで〜みんな揃えばそこはカオス〜

「こんにちはリョウマさん。それと・・・オウカ。そこに居る方々がそうなのですか?」


 リディアが瞳達を見てそんな風に言った。

 瞳達は口をポカンと開けて固まってるね。

 

「ええ、そうよリディア。さて、紹介するわね。私と龍馬の仲間であり、婚約者達よ。」


 桜花がそう言った後、みんなそれぞれ挨拶をしている。

 瞳達はまだ固まっているね。 

 そして、最後にセレスが挨拶をすると、最初に早苗さんが元に戻ったんだ。


「は、はじめまして!私は龍馬くんの担任をしています、小森早苗と言います。よ、よろしくお願いします!」


 そんな言葉で、瞳達も硬直がとけたんだ。

 

「はじめまして・・・じゃないか。前にも会った事がありましたよね?えっと・・・その節は失礼しました!私は葛城瞳と言います!瞳って呼んでください!」

「あ、あたしは大寺宏美です!よろしくお願いします!」

「あ、あの・・・河瀬梨花って言います・・・よ、よ、よろしくお願いします・・・」


 そんな四人をみんなジロジロと見ている。

 もう!


「ちょっとみんな!失礼じゃないか!!」


 そんなにジロジロと見たら可哀想でしょ!!

 ん?なんかみんなが僕を見る目が厳しいような・・・


「・・・リョウマ。ちょっと来い。」

「え?何?アイシャ?」

「良いから!」


 うげ!?

 なんか首に腕を回されてぐいっと引っ張られたんだけど!?


「な、何さ!?」

「お前なぁ・・・どんだけ可愛い子や綺麗な奴を増やせば気が済むんだ!!」

「え?え?なんの事!?」

「・・・マジか・・・オウカ!リョウマのこれってとぼけてんのか?」


 アイシャは呆れたように桜花を見る。

 一体なんなんだよ!


「残念ながら、本気でわかってないのよ。」

「・・・嘘だろ?マジか・・・」


 だから本当になんの事!?


「リョウマさん、ちょっと外に行ってもらえます?」


 え”?

 リディア・・・なんで?


「そうね・・・リョウマさん、すみません。お願い出来ますか?」


 シエイラも!?

 う〜ん・・・仕方がないなぁ・・・


 僕は渋々外に出た。




side 瞳


「さて・・・それでは少しお話しましょうか。」


 目の前には、とても綺麗な女性・・・リディアさんと言ったわね・・・リディアさんがそう言った。

 何かしら・・・


「あなた達はリョウマさんと一緒になりたい・・・私達の仲間になりたい、そう思っているとオウカから聞きました。間違いありませんね?」


 そんなの決まっているわね。


「はい。」

「うん。」

「は、はい。」

「ええ。」


 全員がそう答えた。

 それを聞いたリディアさんが、オウカを見た。


「オウカ。あなたが正妻です。私達はあなたの判断に従います。少なくとも、悪しき人はいません。私のこの『眼』がそう判断しました。」


 目?

 なんで目?


「・・・このリディアはね?物事の本質を見抜く眼を持っているのよ。だから、嘘なんかは全て見抜かれると思ってくれていいわ。」


 ・・・そうなの?


「リディア達のいる異世界は、そういう特別な力を持った人もいるのよ。もっとも、ここにいるメンツは、みんな強い人ばかりだけどね。熊なんて片手でねじ伏せられる人ばかりよ。」


 ・・・みんな綺麗な女の人にしか見えないのに・・・


「おいおい・・・オウカ。それじゃあたし達がバケモンみたいじゃねーか。」


 この人、アイシャさんだっけ。綺麗で格好いい。胸も凄く大きいし・・・それにケモミミ可愛い・・・触りたい。


「そうだぞオウカ。確かに熊くらい余裕だが、言い方という物がだな・・・」


 この人もアイシャさんと同じね。

 確かグレイスさんだったかしら・・・


「そうよオウカ。私なんてただの森の民よ?」


 エルフ・・・生エルフ・・・凄い・・・綺麗・・・


「そうです!メイは可愛いただの狼少女なのです!!」


 中学生くらいに見えるわね・・・抱きしめたいわ!

 あのケモミミを愛でたい!!

 ・・・宏美や梨花ちゃん、早苗さんも同じ気分のようね。

 うずうずしているように見えるわ。


 ・・・というか、龍馬くん、こんな小さな子まで・・・

 ストライクゾーン広すぎない?


「そうですわ!わたくしは竜だから仕方がないのですわ!!」


 凄く綺麗だけど・・・角と尻尾・・・本当に異世界人なのね・・・それになんか話し方がお姫様っぽい。


「エスメラルダなら熊なんて小指で倒せるでしょうね。私は元お姫様だからちょっと・・・そういうはしたない真似は・・・」


 お姫様!?今、元お姫様って言った!?


「あら、レーナ様するいですよ?いつもご主人様の上で大はしゃぎしておられる癖に。」

「そうです!レーナ姫はズルいです!私だってご主人様に可愛がって頂きたいのに、いつも飛びついて・・・」


 えっと…ルーさんとアナさんだったわね。

 この2人はメイドさんね・・・

 龍馬くん・・・よりどりみどりじゃないの・・・それに今の発言・・・もうしてるのね・・・それも複数で!!


「みなさん?瞳さん達が困惑していますよ?もうちょっと落ち着きましょう?」


 この青髪の凄く綺麗な人・・・こんな綺麗な人見たこと無い・・・モデルや女優なんて目じゃないわね。

 それに歳上よね?


「あら、セレス。あなただってここの所がんばっているじゃないですか。リョウマさんと。」


 確か・・・シエイラさん・・・よね?

 この人も・・・はぁ、ちょっとくらい可愛いって思っていても、このメンツじゃ埋もれちゃうなぁ。


「まぁまぁ。それに一番ズルいのは・・・」


 リディアさんが桜花ちゃんを見た。

 みなさんも桜花ちゃんを見た。


「・・・何よ。」


 桜花ちゃんが引きつって答えてる。

 珍しい。


「オウカ。あなたが一番ズルいわね。あなたどれだけしているの?」

「・・・ノーコメント。」

「もう!正妻だからってズルいわ!!」


 桜花ちゃん・・・やっぱりもうしてるんだ。

 はぁ・・・良いなぁ・・・


「そ、それより、この四人の事が先決でしょう?私は・・・この四人の想いは本物だと思うけれど、みんなはどう思う?」


 誤魔化しつつだったけど、いよいよ判決みたいね。

 ドキドキするなぁ・・・

 ・・・宏美達も同じような表情してる。


「私は・・・このきゃんぷで見極めたいと思います。まずは人となりを見て、ですかね。」

「「「「「「「「「異議なし」」」」」」」」」


 ふぅ・・・だったら頑張らないと!

 みんなも決意に満ちた顔をしていた。





side龍馬


 やれやれ、ようやく部屋に戻して貰えたよ。

 何話してたんだろう?

 

 まぁ、いいや。


「さて、それじゃあ、まずは時間的にご飯の準備かな?どうしよっか?」

「そうね・・・じゃあ、みんなで料理をしましょう。」

「オッケー!それで行こう。じゃあ僕は何作ろうか・・・ん?」


 何?

 アイシャに腕を掴まれたんだけど。

 あれ?

 反対側をグレイスが・・・

 

「じゃあ、リョウマはちょっとあっちへ行こうぜ。」

「へ?ど、どこへ?」

「うむ。まぁなんだ、私達は料理が苦手だからな。その間に・・・」

「ちょ、ちょっと!?」


 まずい!

 なんかスイッチ入ってる!

 この空気、搾り取られるやつだ!!

 龍馬知ってる!!


「待って!ちょっと待って!流石にそれは・・・」

「こら!アイシャとグレイス!今回はそういうの無し!!」

「「ええ〜」」


 ふう、オウカが止めてくれたか。

 ・・・瞳達が唖然としている。 

 そりゃそうだよね。


 まさかいきなり寝室に連れ込まれそうになるなんて・・・ううう、大丈夫かなこのキャンプ・・・前途多難だよ・・・

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