第62話 フェイル司教(1)


 僕は、フェイル司教の後を追い、教会に侵入した。


 すると、ベッドがある小部屋を通り、広い空間に出た。


 ・・・本当に広いな・・・高さもかなりある。


 そこにあるのは祭壇のみ。


 すると、フェイルは立ち止まり、騎士二人に対し、


「ここまで来ればひとまず大丈夫か。証拠もなく教会には踏み込めまい。お前たちは念の為警戒を。」


「「はっ」」


 騎士の一人は、いま来た道の方を向き、もう一人は、先に続く通路を見ている。


「にしても、何故祝福された指輪の効力が、無くなっているのだ?今まで、一度もそんなことは、無かったはずだが・・・」


「そりゃ僕が効果を無効化したからだよ。」


「っ!!誰だ!!」


 僕はスキルを解除し姿を現した。


 フェイル司教は、僕の姿を見て、ひどく驚いて、後ずさりしている。


 騎士二人も驚いていたが、それも一瞬で、司教の前に移動し、油断なくこちらを見ている。


「貴様!何者だ!ここがどこか知っての狼藉か!」


 フェイル司教が叫ぶ。


「ここは教会の地下で、あんたは人の命を弄ぶクソ野郎でしょ。ああ、人権を無視する下衆なクズ野郎でもあったか。ごめんごめん。」


 僕がそう言うと、騎士の一人が青筋を立てて、


「貴様のような下郎が、この方になんという口を聞くのか!頭を垂れて懺悔しろ!そうしたら、その命を、我らが神の名のもとに断罪して、来世ではまともに生きれるようにしてやる!」


「はあ?なんで僕がそんなことしなくちゃならないの?馬鹿なの?ああ馬鹿だったね。悪い悪い。もうちょっと、馬鹿にもわかるように、話さなきゃ行けなかった。これは失礼。」


「貴様!!」


 中年の騎士が激怒している。


「司教様!こやつを断罪しておよろしいでしょうか!?」


 そう言ってフェイルを見る若い騎士。


 フェイルは、


「まあ、待て。それよりも貴様。何のようだ?どうやって入ってきた?」


と言うのでネタばらししてやるかな。



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