第40話 バルムスの夜(1)
自室に籠もった僕は、とりあえず、こっそりゾルディア商会を、調べて見ることにした。
気配察知で、屋敷内の気配を調べてみると、僕達の部屋を監視していると思われる者が何人かいるみたい。
ん?伯爵がいない?出掛けたのか・・・?
念の為、リディアとグレイスの部屋には、悪意があるものは入れなくなる、簡易的な結界を、設置してあるから、大丈夫だと思うけど・・・・やはり、伯爵は少し怪しいな。
思い切って、精神操作を解くことも考えたけど・・・まずは、その前に、敵を知らなきゃね。
僕は、隠密スキルを使用し、屋敷を抜け出した。
さて、まずは街の全景の把握からかな。
僕は、フライという飛行魔法を使用し、街の上空に行く。
街の全景を、簡単に手書きメモで見取図として書き、現在地を確認。
そして・・・街の中央付近に、大きめな建物と、少し大きめな建物があるのを確認した。
あの大きい建物が教会かな・・・それっぽい感じだし。
そして、その隣にある、少し大きめな建物が、多分ゾルディア商会だな。
僕は、そのまま中央付近まで、フライで移動してから、ある魔法を使用する。
『エクスプロア』
この魔法は、建物の構造や、頭の中に思い描いた人や物が、中にいないか探せる魔法なんだ。
今回僕が思い描いたのは勿論、会頭のゾルドだよ。
すると、建物内から反応があった。
ん?今地下にいるのか。
屋根の上に降り、気配察知を使うと、地下にはもう一人反応がある。
これは確認して見たほうがよさそうだね。
『インビジブル』
僕は、他人から透明化する魔法を使用してから、隠密スキルを使用し、中に侵入する。
侵入方法は簡単!
気配察知で、人の配置を確認してから、空き部屋の壁を、土魔法で静かに穴をあけ、侵入してから塞ぐだけ。
完全犯罪ですな。
侵入後は、建物内の見張り達に、ばれないよう地下に向かう。
透明化と隠密スキルがいい仕事してくれます。
地下への扉の前にいる門番は・・・一人か・・・
僕は、透明化したままこっそりと近づき、
『スリープ』
眠らせることにしたんだ。
そして、ゾルドのいる部屋まで近づくと、部屋の中には二人いた。
一人は、中年の男で・・・悪そうな顔だな・・・悪どい政治家みたいな感じ?
もう一人は・・・ヒット!伯爵だ!
さて、何を話しているのかな。
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