第28話 廻里 桜花 (3)

 結局、その後は職員室が騒然となった。


 だって、教師含めた個人に対するいじめと暴力映像の上映会だったからね。

  

 緊急で聞き取り調査が行われて、全員親呼び出し。


 勿論僕の親もね。

  

 学校とクラスメートとその親からの僕への謝罪。


 動画を破棄してほしい旨の懇願がなされた。

 

 僕の親は、はじめに当事者は僕だから、自分は後ろに控えるだけと宣言していたので、矢面には僕が立っていたから、好きにしたんだけど・・・僕は動画の破棄は拒否した。

  

 自分を守るためにね。

  

 代わりにアップロード・・・つまり、不特定多数の人が、自由に閲覧できるようにすることなんだけど、それはしないことは約束した。


 但し、いくつか条件をつけた上でね。

  

 1つは、僕に不必要に干渉しないこと。

  

 もともとの発端は、僕に無理やり非を認めさせようとしたところにあるからね。  

  

 僕が納得できる理由があれば、ちゃんと説明して欲しい。


 こっちも理不尽は言うつもりはないしね。

  

 2つ目は、僕を殴ろうとしたクラスメート何人かは、最低反省文の提出、可能であれば、停学も視野に入れるよう考慮すること。

  

 3つ目は、担任への懲戒処分。


 免職させるかどうかは任せるけど、罰無しは流石に駄目でしょう。

  

 この3つが条件。


 親の中には文句を言ってきた人もいるけど、文句があるなら従う義理がないと伝えたら渋々了承した。

  

 そして、再度全員に謝罪された後に、お開きになったんだ。

  

 そうそう、ちなみに担任は自主退職したよ。

  

 翌日の学校からは、僕は周りに避けられはじめていた。


 といっても、そう前と環境が変わるわけではなかったけどね。

  

 今までは、どちらかといえば、皆が僕に話しかける必要ないから話しかけない。


 今度は、皆が僕を怖いから話しかけない、に変わっただけ。


 僕はどっちでも気にしなかったけど。

  

 ただ、一番大きく変わったのは・・・桜花が学校に来なくなったんだ。

  

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