第63話 ヒーロー。

俺は正義のヒーロー。どんなことがあっても、悪を滅ぼさないとならない。たとえ結婚記念日を忘れても、息子の誕生日を忘れても。とうとう悪の親玉を倒し、世界に平和が戻った。意気揚々と家に帰宅すると、家には何もなかった。残された書き置きには『あなたには家族を守るヒーローでいてほしかった』。

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