第61話 枝毛はあったけど秘密にしておいた。

手持無沙汰なので、彼女の髪を弄る。指先でくるくると髪を巻いてみると、「何してるの?」と彼女が少し不服そうな顔で言う。「暇だから遊んでる」「私はおもちゃじゃない」むすっと頬を膨らませた彼女が、「枝毛があるかもしれないのに……」と少し不安げに呟いた。馬鹿だなあ、それすらも愛おしいのに。

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