会話90.わけっこ

「オウカがお尻好きだったとは……。ずっと幼馴染やってきたけど知らなかったよ」


「待て、勝手な誤解で俺を尻派にするな」


「じゃあオッパイ派? どっちなの?」


「それどっちで答えても俺詰むやつじゃねーか。いいからほら、これ食ってろ」


「ハート型? オウカ自分で食べなくていいの?」


「なんかここで俺がこれ食ったら、アスカの尻見れたのがラッキーと認めたみたいで嫌だからだ」


「別に認めてもいーじゃん。私のお尻じゃダメなの?」


「そういう意味じゃねぇ。良いからほら、幸運のおすそ分けだと思って食え」


「んじゃ、いただきまーす。あーん」


「美味いか?」


「美味しいねぇ。これで私にはどんな幸運が来るんだろう?」


「さーなー。んじゃ俺は星型をいただくか」


「そっちは願いだっけ?」


「確かそうだな。願い事が叶うとかそんなん」


「じゃあアレだね、食べる前にちょっとだけ待ってー」


「ん? 手を合わせてどうした?」


「……」


「アスカさーん?」


「うん、食べていいよー。せっかくだからお星さまにお願いしてみた」


「どうした、女の子みたいなことやって」


「ちゃんと女の子だよ?!」


「間違えた。ピュアな女の子みたいなことやってどうした?」


「ピュアだよ!! ピュアな乙女だよ!! 全くオウカは失礼な!!」


「まぁいいや。何願ったんだよ?」


「それは秘密ー。言っちゃったら叶わないかもでしょ?」


「ふーん……じゃあホレ。これも食え」


「へ?」


「アスカの願い事が叶いますように。お、見ろよアスカ、下に四葉のクローバーあったぞ。ご利益ありそうだなこの星」


「……ありがと。んじゃ、私のモナカもあげるね。分けっこしよっか」


「おう。サンキュー」

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