会話86.滑る二人

「いぃぃぃぃやっほーーーい!!」


「あはははははー! すっごいはやーい!!」


「もうすぐ着す……ッッ?!」


「うっひゃああぁぁぁー♡」


「ゴホッ!! ゲホッ! 鼻入った!!」


「ドジだなーオウカは、私は全然平気! ポロリもしてない! 無敵!」


「俺が前だったからだろうが、人を水避けに使いやがって!」


「守ってくれてありがとう、オウカ☆」


「ちっくしょう、後ろにピッタリ抱き着いてくるからおかしいと思ったんだよ……」


「次は浮き輪のやつやろう!! 二人乗りのやつ!」


「分かった分かった、そんなに急ぐ……っておいアスカ!! 上の紐緩んでる緩んでる!!」


「へ? あ、ホントだ。オウカ結んでー」


「分かった分かった。とりあえず邪魔になるから移動するぞ。出たらやってやる」


「あいあーい」


「つーか、自分でできるだろ」


「でもほら、ビキニの紐をシュルって解いて結ぶって男の子の夢じゃないの?」


「どんな夢……? いや、確かにドキッとはすると思うけど」


「結構きつめに結んだんだけどなぁ、やっぱり着水の衝撃で緩むんだね」


「ポロリしないとか言ってたくせに、ポロリ手前まで来てんじゃねえかよ……」


「セーフセーフ。ほら、サポーターも付けてるし」


「とりあえずほら、物陰行くぞ。紐結び直さんと」


「ういー、よろしくー」


「おまっ……これもうギリギリじゃねえかよ。ゆるっゆるじゃ……」


「え? マジで? ヤバかった?」


「馬鹿おまっ!? こっち向くな!!」


「へ? あっ、脱げちゃった」


「俺が紐持ってるんだから、そりゃ身体捻れば脱げるだろ……」


「いやぁ、背中向けてて助かったねぇ。さすがに私もオウカにオッパイとか先っちょ見られてたら照れちゃうよ」


「いや、背中でも恥じらってくれ。綺麗な背中が丸見えだぞ」


「オウカのエッチー。とりあえず、流石にこれは自分でつけるわ。上ちょーだい」


「あいよ。つーか、なんで見ちまった俺の方が照れてるんだよ……?」


「いやぁ、流石に私も真正面から見られたら照れるからね?」

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