地味な平社員の俺、何故か美人上司に迫られる
おとら
プロローグ
……どうしてこうなったのだろうか?
今、俺の目の前には見た目だけはクール系の美女がいる。
男なら誰もが振り向き、必ず二度見をするレベルだろう。
腰まで届く、烏の濡れ羽色の傷みなど一切ない綺麗な髪。
顔も頭も小さく、輪郭はシュッとしている。
目には強い意志を感じ、気の強いイメージを与える。
手足は長く、身長175の俺と目線があまり違わないので、身長も170はあると思う。
何より……その胸が凄まじい。
デカすぎるというわけではないが……。
姿勢が良いこともあり、とにかく目立つ。
デコルテもしっかりあり、垂れ下がっていない。
そんな彼女の名前は、
俺より2つ年上の28歳で、俺が勤める会社の上司だ。
会社での通り名は……氷の女王。
自分にも他人にも厳しく、性格もキツイと評判だ。
言い寄る男には容赦なく、セクハラ上司にも容赦がない。
女子にも仕事をしない子には、厳しく説教をする。
更には、常に人を寄せ付けないオーラを放っている。
それなので、社内では孤高の存在と化している……。
誰も近づくことのできない女性、それが氷の女王である松浦麗奈さん。
……のはずなのだが。
ここで管を巻いている女性は誰だろうか?
「うわーん!わ、私だって……好きでこうなった訳じゃないのに……」
「そ、そうですか」
「なんで皆、私を怖がるの!?私は、ただ仕事をきちんとしなさいって言ってるだけなのに……」
「そうですね、間違ってないと思いますよ?」
「そうよね!えへへ、やっぱり水戸君は良い子ね!」
キャラが崩壊している……!
誰だ?氷の女王と言ったのは?
途轍もなく可愛らしい女性なんですけど?
「あの〜……頭を撫でないでくれますか?もう良い歳なんで……」
「ダ、ダメ………?水戸君良い子だから褒めてあげたくて……仕事も真面目にやるし、女子だからって見下さないし……やらしい目で見てこないし……」
「それは当然のことかと。お給料を頂いているのですから。女子だからって仕事ができないわけじゃないし、例えお茶くみであっても立派な仕事です。やらしい目ですか……まあ、俺の場合は仕事とプライベートは分けていますからね」
「や、やっぱり……良い子〜!」
「ちょっと!?抱きつかないでください!」
「よ〜し!今日もお姉さんの奢りだ!好きなだけ飲むとい〜のだ!」
……そうなのだ……最近仕事が終わると誘われるようになったのだ。
確か、いつだったかな……。
俺は話を適当に聞き流しながら、酔った頭で少し前のことを思い出してみる……。
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