第2話 無題


『松風に空をかし 色なき風よ いとあはれけり』


〜今夜は雨上がりの夕方、濃い霧が赤雲を覆う頃、

                  今にも壊れそうな小さな舟が信濃川を泳ぎきった〜


過去を巡る巡る、あの頃の思い出がふと、よみがえる....


それは 臓器を思い出と焼き尽くす夢だった。


怖くて、泣いた夢だったのと、僕に云う。


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