チート幼女とSSSランク冒険者

第漆拾話 盗賊との戦闘

　私とヒューイットさんが倒れた馬車に近づくと武器をかまえた盗賊らしい男たちが出て要求をしてきた。

「断る。なぜお前らの要求に従わなければならない。」

「じゃあ、死んでもらうしかないな。立派な馬車だからな、たんまりに金も持っているだろうから、邪魔者を始末してからいただくとする。」

「おい。ガキの方は、抵抗するようなら多少はいいが絶対に殺すなよ。ガキが好きな変態貴族に高く売れそうだからな。」

　盗賊たちは、私を捕まえて貴族に奴隷として売ろうとしているみたいですね。

　抵抗するようなら多少は怪我させてもいいとか言ってますが、究極身体（アルティメットボディー）なので、そんなことできるわけないですけどね。

　そんな会話をしていると森の中からも男たちが出てきた様で、あちらも戦闘開始しそうですね。

「「大人しく死ねや～」」

「お嬢ちゃん、大人しくしていろよ。」

　指示を出した男ともう一人がヒューイットさんの方に向かい、残りの三人が私の方に来ました。

　ヒューイットさんを二人で牽制して、まずは、私を捕まえて人質にして、ヒューイットさんを殺すつもりなんですかね。無理でしょうけど……

　アナとアイラのことも心配ですが、レオン兄さんとミオさんがついてますし大丈夫でしょう。私はこちらに集中しますかね。

「カキ～ン」

　三人のうちの一人が私に斬りかかってきましたが、斬られることもなく剣が私の体に触れてカキ～ンといい音がして折れました。

「どうなっている。魔法使ったようには見えなかったが……」

「おい。何やっている。剣がダメなら三人で組伏せちまえばいいだろうが、ガキなんだから簡単だろうが」

　剣が折れて戸惑っている隙に私は、男から距離をとりました。

　そして指示していた男から三人で力ずくで、無理やり捕まえるように指示がでましたね。

　どうしますかね。大人と子供で身長差があるからな。剣でやりあうのは戦いにくいし、冒険者続けていくならなれなきゃだけど、人を斬ったりとかしたくないんだよな。とりあえず今回は魔法でいくか。

「バインド」

「「「ドシャ～」」」

「痛てえ」

「痛てえな。なんだいきなり」

「動けねえ～ くそガキが何しやがった。」

　私は、手を男たちにかざしそう口にした。

　すると男たちの手足が紐状の光で縛られ、男たちは突進してきていたので、盛大にスッ転びました。

　痛そうだな。顔面からいったよ。

「おお、やるな。物理障壁を纏っていたのか。それから距離をとって、拘束魔法で動けなくしたのか。」

　声がする方を振り向くと男が二人、血だらけで倒れていました。

　ヒューイットさんは、SSSランクなんだから当然ですけどね。

「はい。うまくいきました。」

　バインド以外の魔法は使ってませんが、物理攻撃や魔法攻撃を防ぐ障壁を張ったり、纏ったりする魔法もあるので、誤魔化すのに丁度いいですね。

「あっちらも終わったようだな。」

　あちらも片付いたようなので、私たちは、倒した盗賊を連れて、馬車に戻った。

「痛たたた。」

　アイラは、腕から血を流していた。盗賊に腕を斬られれてケガをしていましたようだ。

「アイラ、大丈夫？ ヒールかけるね。」

「ヒール」

「ありがとう。」

　アナの方はケガはないみたいだね。

「アイラ、気負って一人で、突っ込んで行ってはダメだぞ。俺たちがいたからよかったが、もし死んでいたら家族やアオイとかクランのメンバーを悲しませることになるんだからな。」

「はい。すみませんでした。レオンさん……」

「わかればいい。反省していればいいんだ。アイラのケガも治ったし、こいつら連れてカナールに行くぞ。」

　アイラは、凹んでますね。自分の所為で心配や迷惑をかけたことを反省しているのでしょうね。

　今は、そっとしておいてあげましょう。

　そうして、私たちは盗賊を連れて再出発し、そのあとは何事もなく目的地のカナールに到着し、盗賊たちを街に入る際に衛兵に引渡した。

　盗賊たちは、初犯だった様で、懸賞金はかかっていなかったが、報奨金を受け取った。