第肆拾陸話 アオイに関して (ヒューイット視点)
アオイをレッドグリズリーから助けた後に、王都の入り口の門番をしているキースに、もしもの時は、アオイは、俺が引き取ると言った。
依頼を終えて、久しぶり王都に戻り、たまたま行ったシルティーの部屋で、アオイの魔法適性に関しての話を聞くまでは、そのつもりでいた。
話を聞いた後、シルティーは、アオイがトラブルなどに巻き込まれる可能性が高いから戦う力や地位による権力のある者とパーティを組ませたいと思っているようで、俺とアオイでパーティーを組ませいようだ。
確かに、俺は最高ランクのSSSランク冒険者なので、同じSSSランクが相手でも負けないくらいの戦う力もあるし、ある程度の貴族までなら対処できるけどな思っていると
「ヒューイットが以前リーダーをしていたパーティにはあやつもいるしな。再結成しないにしても力にはなってくれるじゃろう。」
そうシルティーが言ってきた。
シルティーの言うあやつとは、レオンの事だ。
確かに、レオンの実家は公爵家だし、本人もSSランク冒険者なので、十分すぎるくらい戦う力もあるし、あいつなら協力してくれるだろう。
丁度、以前組んでいたパーティーやつらとクランを設立することになったので、それを伝えた。
アオイが設立予定のクランに入っても問題ないか聞かれたので、問題ないと答えた。
あいつらは、いいやつばかりだし、パーティー解散後にカイとミオの二人が加入したパーティーには、Eランクの冒険者もいるし、大丈夫だろう。
話も纏まり、下のフロアに行くとアオイは、知り合いを見つけたのか走って近づいて行った。
俺がいない間にアオイが友達になって、名前は、アイラということだが、俺を見て、緊張しているようだな。
アオイに以前言っていたので、俺のランクを教えたのだが、凄く素っ気ない返事が返ってきた。
そのアオイの態度にアイラも怒ってくれた。いい娘だな。
そのあと三人でレガールで飯を食うことになったのだが、レガールに行列が出来ていた。
アイラが言うには、こんなに混んでいる理由が新メニューで、ダニエルさんにアオイが料理のレシピを教えたらしい。
俺も新メニューを食べたが、見たことも聞いたこともなかったが、マジで旨かった。
これをアオイが教えたのか。他にもレシピ持ってそうだし、貴族に目をつけられる可能性が増えたなと俺は思った。
そして、二人と別れて、パーティーのメンバーにアオイとクランハウスに関することを相談しに待ち合わせ場所に向かった。
「待たせたな。みんな」
六人は、もう先に来ていた。
「別に待ってないから大丈夫ですよ。」
ミーナがそう返してきた。
「クランハウスに関してだが、クランハウスとして使っていいと言ってくれた人がいてな。明日、そこをクランに加入するみんなで、見に行くことにした。」
「本当ですか。やった。」
俺がクランハウスが見つかったと話すとミオが嬉しそうに言った。
「あと追加で二人、クランに加わることになった。一人は、この前、話したレッドグリズリーから俺が助けた娘で、もう一人は、その娘の友達だ。」
「ちなみに、クランハウスとして使っていいと言ってくれたのは、その俺が助けた娘だ。」
「マジですか。ヒューイット、クランの人数、その二人を合わせて二十人ですよ。クランハウスに全員入れるんですか?」
カイトが二十人もクランハウスに入れるのかのと不安に思ったようだ。まだ、場所を教えてないのだから当然の疑問だ。あとは、アオイがそんな屋敷を所有しているという疑問も言わなかったがあるんだろうけど
「大丈夫だ。中には入ってないからどんな感じかわからないが、デカい屋敷だ。その屋敷は、亡くなった両親が残してくれたものらしい。ちなみにデカい屋敷を所有しているが、レオンと違い貴族ではない。」
「ならいいけどさ。ちなみにどこにあるのよ。その屋敷は?」
ミーナが屋敷の場所を聞いてきた。
「お前ら貴族エリアや富裕層エリアではない一般エリアに、半年前に建てられた屋敷知っているよな。」
当然しているだろうから六人全員が頷いた。
「その屋敷がその娘が今は一人で暮らしていて、俺たちのクランハウスに使ってもいいと言ってくれた屋敷だ。」
「「「!!」」」
「マジかよ。」
「……」
レノン以外は、俺の話を聞いて驚いている。ケインは、声を出して、驚いている。
まあ、俺も屋敷が建てられた時もアオイの家だと聞いた時は驚いたから気持ちはわかる。
そして、俺はアオイに関する話をすることにした。
「次の話をするぞ。その娘は、アオイというのだがな。今日Eランクになった。これは、今は内密にしてて欲しいのだが、魔法適性の鑑定で、魔力量八万、適性魔法は全属性だった。」
「「「「「「!!」」」」」」
これは全員が驚いている。それはそうだ。アオイは、魔力量は、最年少SSSランクであるレオが七歳の時と二万しか差がなく、全属性なのは同じなのだ驚くなというのが無理である。
「それでな。冒険者していればそのうちにバレる、屋敷のこともあるし、他にも色々あるからトラブルになる可能性が高い。
冒険者同士や商人や富裕層、貴族も伯爵までなら俺だけでも何とかなるが、それ以上だと俺には手には無理だ。
そこで、他の皆にも協力してもらいたいが、特にレオン何かあったら助けてやってくれないか。」
「わかった。ちなみにその娘はどんな娘なんだ。」
レオンも他の皆も了承してくれた。わかっていたことだけどな。
でもレオンがアオイのことを聞いてきた嫌な予感がするが答えるしかないか。
「アオイは、四歳だし、小さくて可愛い娘だぞ。」
「妹にしたい。可愛いは正義だ。」
「やっぱりか」
やっぱりかと俺は、呆れた。だが、俺が引き取ろうと思っていたが、アオイの能力を聞いてから俺だけでは守りきれないと思ったし、レオンに協力を頼むことにした。
それにヴァスカトール公爵家の養子になれば、トラブルを回避するのも容易くなるからいいかもしれないな。
まあ、アオイの気持ち次第ではあるけどな。
「まあ、ヴァスカトール公爵家の養子になれば、トラブル回避は容易くなるだろうからいい案だと俺も思うけど、それはアオイ次第だぞ。
レオン、突っ走りすぎるなよ。」
「「「「「そうだぞ(よ) レオン」」」」」
「わかったよ。」
レオンも渋々って感じだが、わかってくれたようだ。
まあ、わかったとは言ったが、突っ走るだろうけどな。
「じゃあ、顔合わせとかするために、明日、午前十時にアオイの屋敷の前で待ち合わせなんだが、カイとミオのパーティーや暁の奇蹟のメンバーにソロのジークもいるからギルドに九時半に集合して、アオイの屋敷に向かおう。」
「暁のメンバーは、さっきギルドにいたからまだいるかもしれないから俺が伝える。カイは、紫雷のメンバーに連絡頼む。あとジークは、どうするかな。」
「ジークなら明日の朝、俺の工房に剣取りに来るから一緒に連れてくるぞ。」
「ケイン、助かったぞ。これで全員とりあえず大丈夫だな。じゃあ、解散。」
そして、六人と別れた俺は、ギルドへ向かい、まだいた暁の奇蹟のメンバーに明日のことを伝えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます