第参拾玖話 模擬戦
私の魔力量が問題になるくらい多いことが説明され、実際は魔力量∞なので底無しでもっとヤバいんですけどね。
「まあ、アオイには頑張ってもらって、ギルドに貢献してもらうかの。」
「そんなで、いいんですか。ギルマス。」
「魔力量に関しては、なるべくバレないようにすれば、少しはトラブルなどを防げるじゃろ。」
ギルマスとシルバーさんのやり取りを聞きながら私は、早く本登録の手続き出来ないのかななど考えている。
自分に関することなのに完全に他人事だ。
「あの、本登録の手続きお願いしますよ。」
「おお、そうじゃったな。手続きしている途中だったのじゃな。」
「シルバー、手続き進めてやるのじゃ。」
「はい。わかりました。じゃあ、次は適性検査だから訓練場に行って、模擬戦だよ。Dランクの冒険者と模擬戦をやってもらってもらうよ。
これで、昇格させても問題ないと判断されれば本登録となるよ。」
「はい。わかりました。魔法は使ってもいいんですか?」
「魔法は使って問題ないよ。結界が張られていているから安心してやっていいからね。」
魔法は使っていいのか。よかった。
剣とかだけで魔法使用不可だったら、私は小さいから相手の剣を受け止めたりさばいたり出来ず、吹っ飛ばされて終わりだったろうしね。
「じゃあ、訓練場に行こうか。アオイちゃん。」
「はい。」
「ワシも行くのじゃ。アオイの実力を知っておきたいからの」
私はシルバーさんに連れられて訓練場に行こうとしたのだが、一緒にギルマスも着いてくることになった。
私の実力が知りたいらしい。まあ冒険者の実力をギルマスとして把握しておくのは当然と言えば当然か。
「俺は、適性試験の試験官をすることになったDランクのエドだ。」
「試験内容は模擬戦なので手加減はするがもちろん俺からも攻撃はする。負けたからといって、不合格というわけではないから、気にせずしっかり実力を示して合格を目指して欲しい。何か聞きたいことはあるか?」
「大丈夫です。」
エドさんは、身長からいって十歳くらいかな?
ランクが違うのだから負けても不合格ってわけではないのはわかっていたことだ。
まあ、出来れば勝ちたいけどね。
「じゃあ、始めようか。二人とも準備はいいかな。」
「おお」
「はい」
「それでは、始め」
シルバーさんの掛け声で模擬戦が開始となった。
私もエドさんも剣を構え、先に動いたのはエドさんだった。
「とりゃあ~」
このまま、エドさんの剣を受け止めることはできないだろうから、私は身体強化の魔法を使った。
「カキ~ン」
剣同士がぶつかる音がした。
あっさり止められ、エドさんが一瞬驚いた顔したが、エドさんの剣を押す力が強くなったので、エドさんも身体強化を使ったのだろう。
「今度は私の番だよ。」
鍔迫り合いが続くなか、私は叫んで、エドさんの剣を軽く弾いて、エドさんが数歩下がったので、一歩踏み込んでから身長差があるので、左から少し斜め上に向かって剣を振り抜いた。
「カキ~ン」
「ドカーン」
エドさんは、私の剣を止めることが出来ず、すごい勢いで吹き飛ばされ、見えない結界にエドさんがぶつかったようで、すごい音がした。
ぶつかって勢いで上がった土煙がはれ、エドさんの姿が見えてきたので、私は剣を構え直した。
「それまで」
シルバーさんの終わりを告げる声がした。
エドさんは、気絶しているようである。
「マジか。結界が壊れてしまったな。」
どうやら、エドさんは結界にぶつかり、勢いが強すぎて結界が壊れて、訓練場の壁に激突してしまったようで、壁にヒビや下に欠片が落ちていたりした。大丈夫かなエドさん。
「やるのお、アオイ。格上の相手の剣を簡単に受け止め、一撃で相手を吹き飛ばし、気絶までさせるとは。」
「ごめんなさい。結界壊しちゃって、それにエドさん大丈夫ですか?」
「よいよい。結界は張り直せばいいだけじゃからな。エドは、壁にぶつかり気絶しただけのようじゃし、大きな怪我もなさそうじゃし、大丈夫じゃろ。そのうち目を覚ます。」
「アオイ。Dランクに勝ったのじゃ。喜ぶがいいのじゃ、アオイもこれで本登録となるのだからの」
「そうですね。やった。」
エドさんに申し訳なくって、本登録が決まったけど、大喜びはできず、喜び方がぎこちなくなってしまった。
「アオイちゃん、エドを医務室連れていくから手続きとEランクとかの説明は少し待っててね。先に受付の方に戻ってていいからね。」
「はい。わかりました。」
「手続き等はワシの部屋ですればよい。シルバー、エドを医務室連れていったらワシの部屋にくるのじゃ」
「わかりました。では、エドを運んできます。」
私はギルマスと一緒に先にギルマスの部屋に戻り、シルバーさんは、エドさんを医務室へ連れていった。
私は、やらかしたと思いながら、下を向いたままギルマスのあとに続き、部屋へ向かった。
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