第肆話 ダメ神がやってきた(後編)

 ダメ神の説明に呆れてしまったが、使い方や発動方法などは教えてもらわないといざという時に困るし、しっかり説明して欲しいものだが、ダメ神だから全くと言って、期待はできないが説明の続きを聞くことにしよう。


「どんなスキルなのかは、スキル名まんまの能力ばかりだからわかったよ。それで使い方とか発動方法は?」


 呆れながら私が、そう聞くとダメ神が説明をまた始めた。


究極アルティメットナビスキルは、君が思っているとおり、色々教えてくれたりするスキルだね。」

究極アルティメットナビは初めて使う時にナビ起動って、言えば発動して、その後は常時発動状態になるよ。

 口に出さなくても思うだけでそれが何か教えてくれるよ。」

「今まで使えなかったのは、ナビ起動ってまだ言ってないからだね。スキル起動しなきゃ使えるわけないじゃんバカだな。」


 なるほど、だから既に持っているのに使えなかったのか。

 バカとは何だ。バカとは。知ってて当然みたいな言い方するな。知るわきゃないだろうが、ラノベでの異世界モノ読んでたとしても私が生きてきた世界はこれから行く予定の異世界と違い、魔法もスキルもない世界なんだよ。

 わかるわけないだろうが……

 私は、ダメ神の理不尽な感じにイライラして言ってやろうと思ったが、心の中で文句を言うだけに抑えたがあることに気づく……


 でも待てよ。何で今まで説明していたスキル使い方でなく、究極アルティメットナビスキルの能力と使い方を説明しはじめたんだ?

 嫌な予感がするな……


究極アルティメットナビを起動して、聞けば他のスキルの使い方とか、追加された他のスキルがどんなのかも教えてくれるから転移後にでも聞いてみてよ。」


 やっぱりか。ダメ神よ……

「しっかり、転移前に貴方が説明しなさいよ。」


「四歳で行かせるための許可もらうために、たくさん追加したから、面倒だし、ナビに説明してもらえればいいかなって思っているので、僕は説明しません。」

「じゃあ、さっさと転移しちゃおっか。」


 これ以上、説明する気は全くいてなし。再度、説明しろと言われたくないのだろう。

 さっさと転移させようとしてきやがった。

 いい加減にしろよ。ダメ神、コノヤロー(怒)

 殴りてぇ~ 殴りてぇ~ 殴りてぇ~


 イライラしてたら、足元に魔方陣が現れ、私の体が光だした。

 本当にこのまま転移することになりそうなので慌てる


「まぁ、ま まっ まって、心の準備が……」


「じゃあ、ヨロシクね。 大きな都市に君の住む家を用意してそこに転移するように転生先を設定してあるからね。今度こそ、異世界を楽しんできてね。あっちでは、困ることないだろうからさ。こっちの処理は僕に任せておけば大丈夫だから安心してよ。」


 こっち気持ちの準備を無視して、よろしくと手を振り始めるダメ神に更なる怒りをおぼえたが、どんどん私の体の光が強くなり、視界が真っ白になっていき、ダメ神も見えなくなってきた。


「このダメ神がぁ~、覚えてろよぉ~、今回は失敗ないだろうなぁ~ お前がやるから安心できないんだぁ~」


 これが転生した日本での最後の言葉となった。


 最後の言葉まで、またフラグになりそうな事を言ってしまった私だが、転移の瞬間を両親に目撃されるというフラグは回避されたが、既に転移してしまった私には、その後にダメ神が私の存在の日本から消去処理の時に、父の机の引き出しに入れてある、裏面に長女 葵一歳と書かれた父と二人で写った写真が消し忘れにより、残されたままになり、それを母が見つけてしまっことで、大騒ぎになるとは、転移してしまった私は知るよしもなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る