あなたの普通と僕の普通

 同じなんてことはない。

 どんなスタート地点から出発しても、行き着くところは変わらなかった。


 同じになろうともがいても、途中で断念してしまうのだ。鳥肌と生き苦しさが僕を追いつめた。



 普通ってナニ?

 普通って誰が決めるの?


 学生服のシャツの丸襟が生き苦しさを後押しする。だから僕は襟を付け替えて、シャツの色を染めてみた。

 もちろん、指導室に呼ばれ怒られて、反省文を書く。親呼び出しのオマケもついた。


 みんなと同じじゃなくちゃイケナイの?

 右向け右。左向け左。

 僕は、それが出来ない子だった。


 先日、新しい美容室で髪を切った。

 担当についてくれた人は、僕よりもかなり年下の人だった。とてもいい子で、気持ちのいい返事をする子だった。そんな印象を持った。


 何気なく学生時代の話をしたら

「僕も同じ考えですよ〜 学生時代に同じクラスならすぐに友達になってただろうな〜」ってあどけない笑顔を向けてくれた。


 それだけで救われた気がした。

 ありがとう。


 来月、また髪切ってね。(予約した)


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