彼女の人生

頑固で一途

綺麗で花鳥風月

誰よりも優しく

誰よりも寄り添い

慰め、労り、願う

美しい人生だと思う


反面、水鏡の自分は

醜く思う、思うから

彼女から離れていく

ごく僅かな人間だ


だからこそ

死んだ彼女の葬式には

たくさんの人が集まり

すすり泣く声が四方八方から聞こえた

泣いていない人間は現実に追いついていないか

私みたく、何も感じていないか

そんだけのこと


遺影の写真は

いつか撮った楽しそうな笑顔

しかし焦点の合っていないような

目だけ笑っているような


やっと彼女の人生がわかった気がする

そうならざる生えない彼女の人生


早く亡くなって、よかった

この先、生きていたら

もっともっと自分を殺して死んでいた

だから、よかったね、と私は

小さく

呟いた

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