第19話

ポーションを飲んだが、体が回復するのに時間がかかる。

壁にもたれながらオークを睨んでいると、オークは腕を使い僕の方にズルズルとズルズルと近づいて来た。


「グオ、グオ、グオ」

「やばい....」

「ピュウウ、ピュウウ」


ゆっくりと近づき当然、僕の命を取ろうと迫り来るオークに怖く、クロが僕に近づき体を揺らしている事にさえ気づけないほど僕はオークに恐怖をしていた。


「グオオオオ!!」

「クソ、クソ、動け、動け、僕の体!!」


僕は体の痺れは取れた、恐怖で体が動かせず太ももを叩き体を動かそうとした。

オークは心臓辺りに、短剣が刺さったままで、あそこにもう一度、もう一度突き刺せば倒せるはずだが体が恐怖で動けないでいると、オークは僕の近くまで来て、オークの攻撃が当たる間合いまで近づかれていた。

オークは僕に棍棒が当たる範囲まで近くと膝立ちをし僕を棍棒で叩き潰そうとしていた。


「グオオオオオオ!!!!」

「うぁああああ!!」


僕はもう、死を覚悟し目を閉じ諦めてしまった。


「ビュウウウウウウ」


クロは僕に向かってオークが棍棒を振りかざした腕にクロが体当たりをした。


「グオ!?」

オークは棍棒を離し、僕はクロに命を助けてもらった。


「クロ....」

「ビュウ〜!!」


クロはオークに体当たりをし、フラフラで僕は早く倒してっと言われ、恐怖がフッと解けた気がした 。


「グオオオオ!!」

「ビュウウウウ!?」


オークはクロに攻撃され、ターゲットが僕からクロに変わった。

クロはオークの腕に体当たりをしフラフラでオークの攻撃を避けたり、距離を取ることができない。

足が使えないオークは、クロに迫っていた。


「クロ!!逃げろ!!」

「ビュウ??」


クロはフラフラで動けずダメだ、僕はポーションを飲み、最後の力を振り絞り立ち上がり、小爆弾をオークの体に当てた。


「グオ?」


オークは小爆弾が当たったが、全然動じてはいなかったが、クロから僕にターゲットを変え、オークは僕を目掛けて移動を始めた 。


「ほら、こっちだ。」


っと小爆弾三個をオークの体に当てた。


「グオオオ」


さあ、近くにこい

僕は近づいたオークの胸に突き刺さったままの所を狙い小爆弾を投げる。


僕は近づいたオークに目掛けて投げるが、体力がほぼ残っておらず短剣が刺さった胸元まで届かない。


もっと、もっと、近づけ

僕はオークがギリギリまで近くになるのを待った。

体が振るえているが、クロが頑張ったんだっと思い僕は頑張った。


「グオオオオオ!!」

「今だ!!」


っと僕はオークの胸元に刺さっている短剣に向け小爆弾を投げた。


「オラアアアア!!」


力を振り絞った小爆弾の玉は、オークに突き刺さった短剣に命中をした。

オークは「グオオオ!!」っと雄叫びとともに魔石へと変化していった。


「終わった、まじで死ぬかと思った....」

僕はふと最後の一本のポーションを飲もうと腰巾着の中身を覗いてみると小爆弾はもう無くなっていた。

必死過ぎて中身なんて見てなかった。

もし最後の小爆弾を外していたら、っと思うと僕は「ゾッ」とした。


クロが、僕が倒したオークの魔石を食べるのを見届け、僕は緊張の糸が切れたのか意識が飛んだ。

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