(3)一益と恒興

滝川一益というと、織田軍団のなかではマイナーな印象があります。

信長によって無名集団の中から見出されて登用され、重臣に列し関東方面の司令官となりました。信長の死の直後、北条氏に攻められて敗れ帰国途中に清洲会議が開かれてしまい、その後は柴田勝家にくみしたが敗れました。一般的な印象では、ここで一益の武将人生が終わったと思われています。


一益の名前の画数は、11。1の知略力の人です。

知略力とは、その智謀で組織の具体的な戦略や課題の数々をこなし乗り切っていくためのキャラです。組織にとっては、日々の活動の要となる作戦本部長といった位置づけです。

派手さは、ありません。むしろ作戦のために陰に徹する必要があります。よって、縁の下の力持ち的な存在になることが多いです。

戦国の世においては、派手さが無いのでマイナーな印象になるわけです。

もちろん組織にとっては、基礎力と並んで不可欠な存在です。信長軍団の実務を担った人物です。


秀吉との争いに敗れた一益は、のち赦免されて秀吉軍団に参加します。そして1586年に亡くなるまで、おもに関東方面での作戦の中心メンバーとして活動していました。

そう、一益は秀吉の東国方面における軍師的な存在でした。隠密的な活動のため、歴史の表舞台に出ていないだけです。


織田軍団にはもう一人、信長の乳兄弟である池田恒興というひとがいます。完全な縁故出世でありそれほど重要な存在ではなかったのですが、秀吉が信長の後を継いだころからその価値を高めます。惜しくも1584年の徳川軍との戦いで戦死しました。

恒興の名前の画数は、25。5ということは、基礎力の人ですね。縁故出世ではあるが、織田軍団の実務を担う重要な人材でした。


この人物が存在価値を高めた1583年ごろ、恒興はその名前を勝入に改めています。名前というより、号ですね。恒興はこのころから通り名を、勝入にしています。この勝入という字の画数は、14です。4つまり指導力の人です。

この年、勝入は秀吉軍団の重臣に列しました。その率いる池田軍団の組織パワーが高まった証拠です。

指導力というのは、文字通り組織を指導する力。具体的には、人材を的確に適材適所で配置し、的確な役割と仕事を与え、組織を動かしていく力です。ぶっちゃけていうと、部下をかわいがり仲間をいつくしむキャラですね。このようなキャラのひとが組織内にいると、その組織はこの人に引っ張られてグイグイ前に進みます。組織はいっそう発展し安定します。


なお勝入は、その通称を勝三郎といいました。この通称も、その画数は24、つまり4の指導力の画数です。当時は恒興は、おもに主君の信長からはこの通称で呼ばれていたことも多いと思います。よって、恒興は、若いころから基礎力+指導力という2つのキャラを持ち合わせていたことになります。縁故出世という事情が無ければ、織田軍団の重要人物になりえたことでしょう。


なお、信長も他の家臣たちも、みな通称を持っています。

例えば信長は、三郎といいますね。その画数は12、人望力のキャラです。ただ信長が三郎と呼ばれた年代は、おそらく若いころだけでした。若いころはいわゆるやんちゃ坊主であったわけですが、その人望力でいろいろな同年代の者を惹きつけ親しまれていたことでしょう。


ちなみに秀吉の通称、藤吉郎は33画。いやはやこちらも同じ3、向上力のキャラですね。このひとは、骨の髄から下剋上の権化です。

光秀の通称は、十兵衛です。こちらは25画。実直な実務家の一面も、持ち合わせていました。慎重に戦略を進めるというあたりに、そのキャラが現れていますね。

もし光秀が天下を獲っていたら、その政権はかなり安定していたと思います。もしかすると、徳川幕府でなく、明智幕府が出来ていたかもしれません。光秀は清和源氏を称しているので、征夷大将軍の資格がありました。

いっぽう秀吉の政権は、天下統一後、混乱します。これは向上力の人にありがちなことなのですが、いわゆる目標を失ったがための混乱だと思います。朝鮮攻撃という当時の日本の国力(豊臣政権の実力)では到底無理な外国遠征を実行してしまったのは、さらに上の目標を設定してしまったということだと思います。

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