第39話、『あいつら』の侵略。(その3)
『あいつら』の主張は、以下の通りだ。
──そもそも異世界転生系のWeb小説を作成している、作家自身の性格が歪んでいるから、主人公である日本人の高校生やサラリーマンも性格が歪んでいて、筆舌に尽くしがたい様々な非常識的なことを、平気で行えるのだ。
──とにかくどうして日本人と言うだけで、異世界転生系のWeb小説においては、あれ程までにチヤホヤされなければならないのだ?
──転生する日本人って基本的に、単なる学生やサラリーマン程度であるくせに、何かにつけイキリ過ぎ。
──明らかに自分より目上の、年長者で冒険者としても経験豊富な異世界人に対して、初対面でいきなりのタメ口とか。
──『NAISEI』だか何だか知らんが、事あるごとに、現代日本の技術や知識や制度を押し付け過ぎ。
──そんなふうに、たかが陰キャ学生や落ちこぼれサラリーマン風情が、とにかく異世界のすべてを見下して、常にマウントをとろうとする。
──本来はクソザコナメクジでしかないはずなのに、転生した段階で神様とかからチートスキルをもらっているので、大抵の問題はあっけなくかたづけることができて、ハーレム要員の美少女たちを始めとして、それなりに信奉者を得ているところが、あまりに御都合主義的。
──この取り巻きたちが、更に話にならないほど、『クソ』だったりするけどな。
──イキリ主人公の毒電波にでも洗脳されてしまっているのか、すべてにおいて、『転生主人公マンセー』状態。
──自分自身異世界人でありながら、明らかに異世界にとって不利益なことばかりしている主人公を、ただ盲目的に全肯定。
──というか、作品自体の
──つまり、下等な異世界人はただひたすら、偉大なる日本人様に黙って導かれていれば、それでいいのだという、高慢ぶり。
──一度主人公の敵と目されれば、モンスターだろうが人間だろうが、虐殺OK。
──その『子供の癇癪』そのものの非人道的暴れっぷりすらも、とにかく褒め称えるばかりの、周りの異世界人たち。
──まさにこれぞ、現実世界で虐げられるばかりの、陰キャな作者や愛読者たちの、自分の身の周りの者たちや世界そのものに対する、歪んだ復讐物語。
──こんなもの、たとえ何百万部売れようが、アニメ化されようが、ただのクソ。
……とまあ、とことんまで作品の内容を貶して、叩いて叩いて叩き尽くそうとするのが、『アンチ』どもの習性らしいのだが、
以上の箇条書きを読んでいて、『何か』に気づかなかったかな?
そう、『アンチ』どもの論調って、常に『異世界側』の立場に立っているのだ。
──というわけで、いよいよ衝撃の事実を、本邦初公開!
何と『あいつら』とは、『異世界人』勢力のことだったのです!
……あ、だからって、勘違いしないでよね、『ナロタロ系』Web小説の『アンチ』の皆様自身を、異世界人だとか言っているわけじゃ無いからね。
『アンチ』たちはあくまでも、この世界の人間ではあるものの、ある意味『あいつら』こと異世界人に洗脳されているようなものなわけ。
『アンチ』のやつらは、一応自分では自発的に『ナロタロ系』作品の『誹謗中傷』活動をしているつもりだろうけど、『あいつら』にとっては、ただの捨て駒に過ぎず、時機が到来して『あいつら』が本気になって、この日本国内で武装蜂起を起こしたりした際には、他の日本人もろとも皆殺しの憂き目に遭うだけだろう。
──そう、『あいつら』はできることなら、この国の物理的破壊を最終目標にしており、そのためにこそ、遙か昔からこの国に『日本人の皮を被って』潜入していて、関東大震災や太平洋戦争の折に、密かに破壊工作を行って、我が国の足を引っ張ってきたのだ。
その最たるものが、本作で何度も
大震災の時に更に人心を惑わす騒ぎを起こしたり、戦時中に反日工作をしたり、場合によっては直接武装蜂起したりすると言えば、外国の軍事勢力やその潜入工作員等を想像させるが、まさに『そう思わせる』ことすらも、『あいつら』の工作であり、彼らのネット上の策謀における、最大の『得意分野』であろう。
よって、特定の周辺国ときな臭い関係になりつつある場合は、血気逸って対立姿勢を深めるばかりではなく、ようく冷静になって現状を見つめ直すことこそが必要なのだ。
──実はすべては、『第三勢力』による、差し金ではないかと。
まさにそれを誘導しているのが、ネット上の有象無象どもであり、その背後にいるのがいわゆる『あいつら』こと、異世界勢力なのだ。
なぜなら、異世界勢力の最大の目的は、日本を弱体化させて、できれば破滅させることなのだから。
──すべては、この世から、『異世界転生』系のWeb小説を、撲滅するために。
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