第16話 撤廃は考えていない ※

 第16話 撤廃は考えていない ※

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 ま、まぁ。

 実は、一般モグラ説はいったん置いておこう。


 実際スタートダッシュには成功したわけだ。

 たとえ誰でも手にできるスキルだったとしても、無意味だったわけじゃない。

 俺はチートスキルをもって転生した。

 そう思い込もう。


 どこかの闇の帝王も言っていたではないか、思い込みは大事だと。


 4月生まれの子供は優秀だ。

 子供は、数か月の生まれの差によって、かなりの差ができる。

 4月生まれの子が優秀なのは、早く生まれだからであり決して才能が豊かだとは限らない。


 でも、実際にはじめは優秀であり、自分が優秀であるという思い込みはアドバンテージが薄くなってきたとしても残り続ける。

 思い込みは力だ。

 だから気が付いてはいけない。

 自分が優秀だったのは、才能があったからではないと。


 思い込みの力がなくなってしまうから。


 というわけで、俺はチート転生しました。

 ……もしかして俺モグラだと気が付かづに、土竜だと思い込んでいたら今頃地上で大手をふるって無双できていたのでは?


 いや、そうなる前に死んでいたな。

 思い込みは力だが、何でもかんでも解決できる万能薬ではない。


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 そういえば、忘れていた。


【配下にexp税を導入しますか?】

【はい】

【いいえ】


 スペック不足のCPUを搭載した脳みそで、いろいろと思考していたせいで、これの存在を完全に忘れていた。

 exp税、寝てるだけで経験値が入ってくる優れモノだ……と思う。


 なぜ仮定かと言われれば、


【exp税:情報が取得できません。アカシックレコードとの接続を確認してください】


 例によって詳細がわからなかったからだ。


 ……なんというか、めちゃくちゃ不便だ。

 わからないならわからないで、タップしてたら毎回この画面表示するのやめてほしい。

 一瞬、期待してしまう。


 鑑定みたいなスキルあったら、こういうのもわかるようになるんだろうな。

 ま、俺にそんなスキルとる余裕はなかったので、そんなIFはあり得ないわけですが。


【はい】を選択


【税率を設定してください】

【  %】


 普通にそういう感じか。

 わかりやすくてありがたい。


 でも、俺配下ロティスしかいないしなぁ。

 最近せっかくレベル上げようと頑張ってるのに、そこから徴収するのは考え物だな。


「……って、あれ?」


 戻れない。

 戻るボタンがない……


 マジか……

 別に、この画面のままだと何か重大な問題があるとかではないが、単純にステータスが見れないのは困る。

 見たからって何かあるわけじゃないが、暇すぎる地下生活でのちょっとした楽しみなのだ。


 ……


【0%では操作を完了できません】


 嘘だろ、おい!


 そうですよねぇ、確かに俺はexp税の導入の選択肢で【はい】を押した。

 そうである以上、契約には同意したとみなす。

 0%の税の導入は、税とは認められない


「……そうだけどさぁ」


 忘れてた。

 このシステム、土竜の説明書いた人と同一人物かその系列が作ったものだ。

 こういうことも警戒しとくべきだった。


 ……仕方ない、か。


【1%のexp税を導入しました】


 ……ロティス頑張ってるとこすまん。

 今度また手伝うから、勘弁してくれ。


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 ー名無しの女神様ー


 貯金好きはお金持ちになれない、のう。


 はて、何かに備えてあらかじめ準備しておくというのは、それほど悪いことじゃろうか?


 急に力を使う必要が出たとき、たくわえがなければどうにもならず場合によっては最悪の事態になるやもしれぬ。


 それに、ある程度余裕がないと、常に何かに追い立てられるような強迫観念にさらされ、安心できない。


 何より、もしチャンスが転がってきたときに、そのチャンスをつかむ……


 私の夢は、最上位神。


 今、そのチャンスの時なのか?


 私が待っていた、時なのか?


 チャンスのために貯蓄し、貯蓄のためにチャンスを見逃す。


 本末転倒か……


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 テンプレ

 ーー次話予告ーー


『第17話 人里……』

 明日更新


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