第15話古い友人」

 グループ発足以前にお店で知り合いになった古い友人と、音楽以外のお話で連絡を取って、忘れかけていた事を思い出した。

 そのうちの一つの修善寺旅行のお話をしてみようと思う。


 私が中央競馬で有る馬に見込みが有ると思って、買っていた今では3歳牡馬が、何とダービーまでは勝てなかったが、直前のレースまで勝ち続けたので、そのお金をお店のママに預けていた。


 秋になったらそのお金で何処か旅行でも行こうと相談し、結果が修善寺旅行に決まったのである。

 メンバーは私とママと、今は亡き岡本真理子さんと他二人位としたが、都合で他二人が一人となった。


 その一人が冒頭に書いた古い友人のメガネ店の主人であり、お店のオープンにはお店のお客達数人で応援に行ったものだ。


 メガネ店の主人は仕事が有るとの事で朝早く帰途に就いたが、残された3人は何処か見学するところを多分旅館に聞いたと思うが、この旅館は老舗で有名な作家の常駐宿でも有った。


 坂を登ったところに大きな松の木が有って名所になって居ると言うので、行ってみる事にした。

 そろそろ着くころに、紫のつぶつぶが付いている雑木があって。これ何と言って居たら、近所を歩いていた人が、紫式部だよと教えてくれたのだ。


 特別博学とは言わないが、大の大人三人が紫式部を知らなかったとはいやはやだ。

 その後にお店によく来てくれているご老人の塀に、見事な紫式部が一杯有ったのだ。


 大木をゆっくり眺めて、旅館に戻り帰途に就くが、流石歌手である岡本真理子さんは、近くのお店で歌いたかったみたいであった。

 今回は修善寺旅行のお話でした。

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