かつて、裏切られ王都を追放された少年は、最強(自由)を求め理不尽に抗う

猫る歩き人

第1話 プロローグ 解放の日~数年前~







ーーーーーーーーー












「――――ふッ、――――ッ、う」




「…………」




「————アぁ、うっ…………」




「…………」




「………うっ、ううぅ…………………」




「……………………落ち着いたか?マリク」




「………うん…」




「……本当にすまない。助けるのがこんなに遅くなってしまった」




「………………」




「ワシの事は覚えているか?小さい頃に会った事があるのだが」




「………覚えてる。サグノアおじさんでしょ。昔、父さんと同じ冒険者パーティだった」




「ああ。最高のパーティだった。一時はSSランクまでいったんだぞ?その中でも、お前さんの父親とは馬が合ってな。ワシが道場を継ぐためにパーティを抜けた後もちょくちょく会いに行ってたんだが……」




「………うん、知ってる」




「………前にあいつから、お前さんの事を頼まれた。『何かあったら頼む』ってな。だから、生活の方は心配しなくていい。」




「…………ありがとう」




「だが、王都に手配書が出回っているらしい。早くここから離れねばならん。詳しい話は移動しながらしよう。ほれ」




「……………………」




 この日、俺は久しぶりに、日の光を見た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る