第2話【「娘さんを僕に『ください』」って、何?(怒)】

プロポーズの次は、『結婚の挨拶』だ。

とりあえず、美由の両親から挨拶に行く事にした。


美由の父親は、正人さんが挨拶をする前に

「本当に貰ってくれるんだな?」と、尋ねた。

「返品不可だぞ」

「はい。僕からも、挨拶させてください。娘さんを、僕にください」

「もちろん!」



場は和やかだったが、1人だけ心が穏やかではない人物が居た。

美由だ。


“ねぇ拓也。「貰う」とか「返品不可」とか「ください」とかって何?私って、『物』なの?”


──確かに。


結婚の挨拶で、「娘さんを僕にください」という言葉はよく使われてはいるが、『ください』と言ってしまうと、「私は『物』か!(怒)」となってしまうのも、無理はない。


僕も気を付けよう。



多分、一生使わないと思うが──。

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